7、8月−4 意外な接点
「くそっ!なんで勝てんのんじゃ。」
「見たか!」
「メエが言うな。まあ、弱くはなかったよ、尾道 大悟くん。」
「!!なんでわしの名前を!?」
「もしかしてゼロの生き別れの兄弟?」
「そうだったのか、兄さん!?」
なんでそうなる。
「知り合いからきいただけだ。」
「知り合い?誰?」
「そうだな、いちおうお前も知ってるやつだぞ。」
メエはよけいにわけのわからないという表情になった。
「4月に襲われたやくざの組長がいただろ。こいつはあれの甥だ。」
「え?え!?えー!!」
そこまで驚くか?まあ、しょうがないか。
俺は4月にあのやくざに気にいられたようで、腕がなまるのをおさえるために2週間に1回くらいで組長とたたかっている。そのとき組長が……
「今度、そっちの学校が主催でいろいろな学校が集まることをするじゃろ。」
「いや、知らないな。たぶん前日にでもいきなり言ってくると思うよ。」
「それにな、わしの甥が出るんじゃ。」
そう言いながら困ったような表情をした。
「?どうした?」
「その甥は悪い奴じゃないんじゃが、去年も参加してそっちの会長に軽くやられたらしいんじゃ。そのせいで今年こそそっちの会長に勝つ、って言っとんじゃ。注意しとらんとそっちの会長とたたかいだすかもしれん。」
「おいおい、こっちのバカは運動神経も最悪だぞ。あんたのほうからやめるように言ってくれよ。」
「一応、説明したんじゃが聞く耳を持たんくての。」
ということがあったわけだ。
「すみませんでした。」
「よろしい。」
あっちもなんかの話がついたらしい。
「よろしいでしょうか?」
ホテルのボーイらしき人が近づいてきた。あれだけの騒ぎで近づけなかったのだろう。
「お部屋のほうにご案内いたします。」
やっと部屋にたどりつけそうだ。
「やっほー、ゼロにメエちゃん。」
他のメンバーはエレベーター前にいた。どうやら待たせていたようだ。
「じゃあいきましょう!」
「こちらの3部屋がお部屋となります。」
「荷物はそこに置いといて下さい。」
「かしこまりました。」
ボーイをさがらせて部屋の前に立った。
かなり高いホテルだったがその中でも最上階。しかも1階に4部屋しかないという普通に泊まったらどんだけ高い部屋だよ、って場所だ。そして、渡されたカードキーは3枚。
「さて、マジさんと俺が同じ部屋なのは絶対として、他の……」
「いや、高月にはあえて会長といっしょになってはどうだろうか?」
「は?」