6月ー13 夕日
「すまんな。結局、ほとんどいっしょに回ってやれなかった。」
夕日が学校を染めるころ、オープンスクールは終了で、フーちゃんとリンを見送りに来ていた。
「大丈夫ですよ。私たち、十分楽しみましたから。」
「そうです。おかげで楽しい時間を過ごせました。」
「そう言ってくれてよかったよ。」
そんなことを話してるとやけに長い車が入ってきた。俗に言うリムジンというやつだろう。
「えっ!?リムジン!?」
メエが驚いていると中から歳をとった感じの老人があらわれた。
「お嬢様、お迎えにあがりました。」
「じいや、こなくていいって言ったでしょ。」
そうリンが答えた。
「えっ?はっ?えっ?」
「リンちゃんはあの音無グループの社長がおじにいるんだよ。」
それを聞いてメエは驚くよりも先に?マークを頭に出した。
「ちなみに音無グループってのはいろいろな部門に進出している有名企業だ。まあ、簡単に言うと無茶苦茶でかい会社だ。」
「そこじゃなくて……」
メエはなにか言いたそうな顔をした。
「……やっぱりなんでもない!」
元気さでごまかしたつもりらしいが、こんなごまかしかたをするのは珍しいし、これ以上は聞かないでおこう。
「の、希ぼっちゃま!?」
なんだかじいやとやらがかなり驚いてらっしゃる。
「違いますよじいや。この人はこの高校の生徒会副会長の高月零夜さんですよ。お兄ちゃんじゃないです。」
「そ、そうですか。それは失礼いたしました。」
また間違えられたようだ。
「お兄ちゃんの名前は希っていうんだ。」
「はい。」
「そんなに俺に似てるのか?」
「もちろんです!甘いものが好きなところもですし、やけにツッコミが激しいところもそうですけど……」
なんだ?俺はそういう立ち位置で見られていたのか?
「ものすごくかっこよくて、強いところなんてよく似ています。」
かっこよくて強いね……
「まあ、次に会うのは入学式か。」
「はい。」
「絶対に入学しますからね!!」
「大丈夫だ。メエが受かってるんだから誰でも受かる。」
「それどういう意味!?」
帰っていった2人を見送りながら思ったこと。
きっとまた会うだろうな。
どうも、このごろのハードな日々に筋肉痛、作者のヒッキーです。
6月もこれで終わりです。次は生徒会新聞を入れたら7,8月突入です。
あー、夏休み。