6月ー12 生徒会の裏側
「さて、ハルさんたちはどこにいるのやら。」
「なんだよ。くるのが遅すぎるぜ、零夜。」
この声は……
「斑目先輩ですか。」
後ろを振り向くと派手な金髪の斑目先輩が立っていた。
「できれば今は勘弁してください。急いでるんです。」
「大丈夫だよ。」
そう言って足元の縛られた男を取り出した。
「それってもしかして……」
「ゼロー。」
バテバテのハルさんがやってきた。後ろにラブもいる。
「ごめーん。完璧に見失……ってなんでそこにいるの!?」
やっぱりハルさんたちが追い掛けていた奴みたいだ。
「まあ、これで次の作戦に移行できる。」
「「「作戦?」」」
そういえばここにいるのには話してなかった。ここに……
「……榊はどうした?」
「えーとね、私はこれから捕まえた男を踏む……いや、用事があるからそっちにいけないって言ってたよ。」
完全に踏むと言ってしまっているが、そうなると困ったことがあるな。
「この中で派手な武術を使える人はいますか?」
その質問の意味を誰もとらえきれてはいなかったみたいだが、とりあえず全員首を振った。
「あの、それがどうしたんですか?」
「これからこのスケボーに誰かが乗って校舎から出る。そうしたら生徒会の誰かがそれを派手に倒す。そして、これが生徒会の出し物程度のものだったってことにするんだ。」
メエがさっぱりというの以外は問題なさそうだ。
「どういうこと?」
「つまり、この一連の事件を生徒会が企画してやったことにしようということだと思います。」
ラブの説明に俺はうなずいた。
「それでスケボーに乗るのは俺でいいとして、倒す側も実力がないとふっとばされるだろうしな。」
そうなると榊が適任かと思ったが、あいつでもそんな無茶は危ないだろう。
「なーんだ、そんなことか。」
ハルさんがそんなことを言った。
「なら適任がいるよ。」
「誰だ?」
「斑目前会長。」
そう言われて誇らしげに自分のことを指している斑目先輩がいた。
「……さて、どうしようか?」
「スルーするな!」
「確かに適任かもしれませんけど、斑目先輩は部外者ですよ。」
「させてくれないなら邪魔するぞ。」
それは困る。いや、めんどくさい。
「しょうがないですね。でも、スケボーに乗る役しかできませんよ。」
「もちろんさ。」
というわけで俺たちはうまくこの状況をのりきった。