表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/172

4月−3 ニックネーム

 私立開明高校。かなり敷地が広く、全寮制の有名進学校だ。志望者もそれなりには多いが、それなのになぜかバカもけっこういる、俺の通う不思議な高校だ。


 「どうして俺なんだ。」


 俺は独り言をつぶやいた。


 俺は今、生徒会棟と言われる場所にいる。まあ、ただの古ぼけた2階建ての倉庫兼、生徒会室というだけだ。


 そんな建物の2階で新会長と新副会長といっしょに前の役員を待っていた。


 「何のようかな?」


 楽しそうに会長が言った。しかし、かなりひまだ。


 「ひまだな。」


 副会長が言った。俺も同感だ。


 「だからお互いにニックネームをつけよう。」


 「は?」


 ものすごいまじめな顔でそんなことを言うか。なんだ?これはボケなのか、それともまじなのか。どちらだ?


 「まずは高月、お前からだ。」


 そんなこと言われても本気で困る。しかも俺のほうを見て言うな。


 「下の名前は零夜で間違いないな。」


 「ええ。」


 いったい何が楽しいのか。


 「なら、ゼロっていうのはどう?」


 ゼロ?また変わったニックネームだな。


 「うん!ゼロ!それで決まり!」


 きいておきながら自己完結してしまった。どうでもいいことだが勝手に完結されるのも悲しい。


 「じゃあ、お前らのニックネームは俺が決めさせてもらう。」


 2人は驚きながらこっちを見た。なんかそんなことするキャラだったのかよ、みたいな感じだ。


 「まず会長。下の名前は、たしか芽だったよな。」


 「うん!」


 ものすごい明るい。そんな声だ。


 「……なら、メエだな。」


 「えっ、メエ?」


 聞きとれなかったわけではないだろうに、わざわざもう一度聞き返してきた。


 「そう、メエ。」


 「メエ!?」


 そこまで驚くか。


 「なんでボクがそんな羊の鳴き声みたいな名前なのさ!?」


 「なかなかのネーミングセンスだな。」


 「ありがとうございます、マジさん。」


 それを聞いてメエだけでなく副会長までもが驚いている。この人たちはたぶん今日だけで1週間分ぐらい驚いただろう。


 「まったく、もしかしたら私は今日だけで1ヶ月分ぐらい驚いただろうな。」


 マジさんはなかなか動じないようだ。


 「そうかな?ボクはいつも通りだよ。」


 「お前はどんだけ驚いてんだ!?」


 さすがにツッコミを入れてしまった。また周りが驚いている。


 「いや、マジさんが驚くのはわかるけど、なぜにメエが驚く?」


 「だってゼロがツッコムなんて思わないし。」


 そこまで俺は堅物なキャラと思われていたのか。


 「大丈夫。お前は冷めきったキャラだと思われていた。」


 「何が大丈夫なんですか。」


 またどうでもいいという気持ちがうまれてきた。


 「やあ。楽しそうにやってるね。」


 俺がこの声を聞いたのは今日2回目だ。そしてマイクごしではない声を聞き、確信を持った。


 「あなただったんですか、斑目先輩。」


 どうも、春休みの実感を消す補習の力、作者のヒッキーです。

 開明生徒会は大丈夫か?次では前会長登場。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ