6月ー7 昼食は人それぞれ
ここは食券を使っていない。昔は使っていたらしいが、斑目先輩の食堂改革でメニューが増えすぎてなくなったらしい。というか、この学校のメニューの数を全部把握している人間なんていないんじゃないか?
「次の人ー?」
「はい。」
とりあえず頼まれたものを買った。
「買ってきたぞ。」
お盆3つをうまく持ってきた。
「あ!すみません。1人じゃきつかったでしょ。」
「いや、最高5つまではいける。」
そう言っておのおののたのんだ料理を前に置いた。フーちゃんは何か黒い液体と野菜のまざったものがこ飯にかかっている。そして、リンのほうはなんかマグマのような色をしたものがこちらもご飯にかかっている。メエは普通のレディースセット。
「ねぇゼロ。これ何?」
「ん?フーちゃんのがイカスミカレー。リンのは殺人可能カレー。」
俺は当たり前のように言った。
「そこじゃなーい!」
?ここじゃないならどこだ?
「ゼロの昼ご飯のこと!」
「は?」
余計にわからん。俺のなんて他のに比べたら普通のはずだ。
「なんでパフェなのさ!!」
そう。今日の俺の昼飯はフルーツパフェ。
「どこがおかしい。普通にこれを昼飯に食べてる女子なんて街にあふれているだろ。」
「それは女子だから認められているのだ!特にゼロは似合ってなさすぎる!なんか人は見た目が9割を侮辱してるよ!」
「これが俺の1割だ。」
「かなり強引だー!」
さて、無茶苦茶珍しい俺のボケ、メエのツッコミだ。
さて昼飯はメエと俺以外はまともなものを食べていないはずだが当たり前のように食べている。
「ねえ、リンちゃん。それ少しちょうだい。」
「いいですよ。」
「ちょっと待て!」
そんな危険な物質を食べたら結果は……
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
そりゃそうだ。
「はい、水とパフェ。」
ゴクゴクゴク。バクバクバク。ゴクゴクゴク。
「はぁはぁはぁ。」
「生きてるか?」
「な、なんとか。」
これでチャレンジ精神は身をほろぼすということを覚えただろう。
チャーチャーチャラチャラ
誰かの携帯がなった。
「はい?」
メエの携帯だった。
「うん。はいはーい。ゼロ、マジがかわってって。」
「はい。変わりました。」
『高月か。校内でスケボーに乗っているやつがいるらしい。』
「はい?バカな中学生でもいましたか?」
『いや、どうやらオープンスクールの妨害行為のようだ。このままだと校内に入れないから取りおさえるぞ。』
「わかりました。メエといきます。そのまえにいいですか、マジさん。」
『どうした?』
「パフェを食べてから……」
『早くこい!』
プープープー
さっさと切られてしまった。冗談のつもりだったが反応があんまりおもしろくないところを見ると、あまりよろしくない状況のようだ。しょうがないか。
「メエ、行くぞ。」
「えっ!?どこに!?」
「フーちゃんやリンにはわるいが生徒会の仕事が入った。」
「あ、はい。わかりました。」
質問はスルーして残りのパフェをかきこみさっさと食堂を出た。