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6月ー1 2日前

 「梅雨だー!!雨だー!!」


 ハルさんは今日も壊れています。


 6月。このシーズンになると学校が一気に明るくなる。いや、決してハルさんみたいなのが増えるわけではない。更衣ころもがえがあるのである。


 この学校の冬服は男子は普通の学生服。女子は少し赤の混ざった黒のブレザーにスカート。あまり明るいとは言えない色であった。


 しかし、夏服は違う。男子は薄い青のカッターシャツに少し青が入ったズボン。女子は季節はずれではないかと思ってしまう薄い桜色のブラウスにチェックの入ったかわいめのスカート。夏はまぶしい学生達なのである。


 しかし、生徒達の見た目が明るくなったところで梅雨は梅雨。ここ数日は雨が続いている。


 「くそー!!テンションを上げれば晴れると思ったのに!!」


 相変わらず、わけのわからないことをやっている。


 「ゼロー!!晴れにしろー!!」


 「無理です。」


 「そうだ!そうだ!」


 「メエはのるな!そんなに晴れてほしいならてるてる坊主でも作ればいいだろ。」


 「「……おお。」」


 今まで考えもしていなかったアイデアを聞いたみたいに2人は言った。できれば、ハルさんだけでも演技であると信じたい。


 「じゃあ、さっそく作ろう!」


 「おー!!」


 「会長はだめです。今度のオープンスクールの原稿を作ってもらいます。」


 そういえば言ってなかったがあさってはオープンスクール、わかりやすく言うと中学生などに高校の紹介をするために学校側がする説明会みたいなもので、この学校は簡単な説明のあとに自由行動となる。


 「えー!!」


 「てるてる坊主はわたしが作っとくよ。」


 「ボクも作るー!」


 「あきらめろ。」


 「いやー!!」


 マジさんの手から逃げだして、ハルさんの後ろに隠れた。


 「どうせ、メエに原稿を作らせたところでその通りにいかないんですから。当日にアドリブでさせましょう。」


 「……それもそうだな。」


 マジさんも納得し、メエはニコニコしながらてるてる坊主を作り始めた。


 俺は書類を片付けながら外を見た。雨の音しか聞こえない。中を見てみる。騒がしくしているやつらがいる。そんな中、仕事をする。



 もうすぐ波瀾が起きるだろうな。




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