5月ー6 動き出せ
「そんなのありえないよ。」
「失礼します。」
俺はある教室に入った。
「なんだ?」
「あれって副会長じゃない?」
中にはがたいのいい男子が2人に、かなり派手な女子が2人いる。
「特徴とも一致するな。」
「なんだ?副会長さまさまが何用だ?」
男子の1人がちかづいてきた。
「あなたたちに生徒会への敵対行為の疑いがかかっています。そのことだけ言っておきます。」
「まどろこっしいこと言わないでいいんじゃない?どうせ、私たちは疑われてるんでしょ。」
こういうときは必死に否定するものだと思っていたが、意外とあっさり、しかも冷静に言うな。確実な証拠をつかまれないと思っているのか。それても、ばれても問題ないほどの後ろ盾みたいなものがいるのか?
「なんか、あっさりしてますね。」
「当たり前よ。私たちには魔女が……」
「おい!」
1人の男子に止められたが、確実に『魔女』と言った……
ドゴッ!!
「ぐっ!」
後頭部に変な衝撃がきた。たまらず倒れる瞬間に後ろを見ると、さっきの男のもう1人がいすで殴っていた。
「わるいな。あんたの処分は魔女に決めてもらう。」
「ん?このまま倒れてても魔女とやらにはあえないのか?」
俺は何事もなかったように立ちあがった。
「な、なんでお前……」
「別にそんなに痛くはねえよ。当たる瞬間にいっしょに倒れこんだら、そんなにダメージなんてないもんなんだよ。」
そんなことを言いつつ肩を回した。
「さて、ここまでしたんだから、もう完全に生徒会へ敵対しているとみていいですね。」
そう言うて男たちが片方は竹刀を持ち、もう1人はおおきく構えた。
「おとなしく、とはいかないみたいだな。」
「当たり前よ。この人たちは柔道部と剣道部の主将よ。」
わざわざ後ろの女子が説明してくれた。
俺は軽くため息をついた。
「一応言っておくけど、俺は気にいらない相手には容赦ないからな。」
「それは、残念だ!」
柔道部が突っ込んできた。
ドンッ!
「はっ?」
柔道部は次の瞬間に地面に叩きつけられた。俺は突っ込んできた柔道部を一本背負いで投げ飛ばしてみせた。
「言ったろ。気にいらない相手には容赦しないって。」
「くそっ!」
今度は剣道部が面を打ち込んできた。それをよけて胴に回し蹴りを食らわしてやった。
「ぐっ!」
「さて、強いのはやられちまったけど、どうするつもりですか。」
俺は余裕の表情で残った女子2人を見たが、それほどあせっているようには見えない。
「ふん、私たちの策はこれだけじゃないのさ。」
「何?」
女子たちは携帯電話をとりだして、誰かに電話をかけた。
「そろそろきなさい。」
「どちらさんにお電話で?」
「柔道部と剣道部のやつらよ。東西南北を囲んでもらってるから、あんたは終わりよ。」