4月 エピローグ
今回はメエの視点です。
「かんぱーい!」
やっと部の予算にみんな納得してくれて、ボクは生徒会を集めて完走パーティーをしていた。
「あの、この部屋の持ち主がいないんですけど。」
そういえばゼロがいないや。
「せっかくの祝勝会なのに!」
ハルの言う通りだよ。今日はせっかくの、ええと………………なんたら会なのに来てないなんて!
「ゼロくんが来るまで待ちませんか?」
「大丈夫!ボクが見つけてくるよ!」
さっさとさがして、さっさと乾杯したい。ゼロのいそうな場所は……
「よし、わかった。」
なんかみんな悲しい目をしているような気がするけどさっさとゼロの場所へレッツゴー!
「……いない。」
おかしい。中庭にいるはずなのにいない。はっ、まさか……時間が過ぎたから、もう別の場所に移動したのか!
「よし、次の場所だ!」
「いない!」
今度は寮の前に来たけど、ゼロの姿はなかった。
「くそー、どれだけボクの裏をかく気だ!」
くそ、どこに……
〜〜♪〜〜♪
どこからか、何か楽器的なものの音が聞こえる。
その音を頼りに出た場所は生徒会棟だ。そして近付いて気付いた。これってバイオリンの音だ。生徒会棟の2階、そこのベランダに誰かいる。
〜〜♪〜〜♪
そこにいたのはゼロだった。月明かりに重なるように美しく光る髪、そしていつもキリッとしている目は閉じられて、相手を倒した手には美しい音色を奏でるバイオリン。そう言うとミスマッチな感じなのに、あっていた。かっこよかった。
〜〜♪
「何か用か?」
「えっ、あっ、はっ?」
「何をあわててる?」
そういえばボクはどうしてあわててるんだ?
「何で、えっと……なんとか会に来てないの!?」
「鍵なら開けといたから、勝手にやってると思ってたけどな。」
さも当たり前のようにゼロは言ったけど、ボクたちはそんなに薄情じゃないぞ。
「そういうゼロはバイオリンなんて引いちゃって、趣味か何か?」
「まあ、そんなかんじだな。」
「へえ。あのさ、き、きれいだったよ。」
「?まあ、ありがとうだけど、何でそんなにはずかしそうなんだ?」
そ、そういえばボクはなんでドギマギしてるんだ?
「とにかく、さっさと行くよ!」
「あ、ああ。」
ボクはさっさとゼロを連れて部屋に向かった。この変な気持ちをおちつかせるために。
開明高校生徒会……会長1名、副会長2名、書記1名、会計2名の6名で編成される生徒会。ちょっと前までは普通の生徒会だったが、斑目前会長が会長になっていろいろやらかし、今のメエに引き継がれている。かなり高い権限を持ってたりする。
1回間をおいて、今度は開明高校の施設について。