4月−1 出会い
あー、眠い。とにかく眠い。
え、俺は誰だって。そんなのどうでもいいだろ。今、重要なことは今が眠くなるほどつまらないということだ。
今日は生徒会役員の引き継ぎ式らしい。ちなみに今は校長の長ったらしい話を聞いている……やつなんているはずないか。まあ、そんなもんだ。
「……では、終わります。」
やっと終わったか。この話を3年間、聞かないといけないと思うと気が重くなる。
言い忘れていたが俺は入学してから1週間もたってないピカピカの一年生だ。
そういえば俺も誰に話しているんだ。でも気にしたら負けな気がする。
パッ、パッ、パッ。
急に照明がすべて消えた。なんだ?なんだ?と俺も例外ではなく一年生はみんな言っている。
しかし、二、三年生は慣れた様子で笑っていたりした。
パッ!
スポットライトがステージの中央に集まった。そこには派手派手な少女がいた。
「みんな〜、元気〜!」
イエーイ!なんでノリノリなんだ!見ろ、一年生がポカーンとしているじゃないか。
「みんな〜、ノッてる〜!」
イエーイ!!うお、一年生までのった!適応力高っ!
「では、最初の曲は『会いたいよ』!」
イエーイ!!!いや、イエーイじゃねえよ!こんなところでライブしてんじゃねえ!というか教師は止めろ!!
ピコッ!
俺の気持ちがとどいたように誰かはわからないがピコピコハンマーで少女を叩いてくれた。
「だめだろ。」
暗くてよく見えないが声とかからすると男だ。
「金取らずに君の歌を聞かせるなんて間違ってる!」
だめだー!やっぱり俺の意思を受けとってはくれていなかったー!!
「前置きはさておき。」
あれだけ派手にやって前置きか!
「僕がかの有名な生徒会長だ。そして彼女が生徒会副会長。」
あんな無茶苦茶なのが生徒会なのか。
「今までは事前に本人には通達しておくことが普通だった。しかし、僕たちはここで発表しようと思う!」
なんとなくこの生徒会が人気な理由がわかってきた気がする。普通で人気を取るには高い能力が必要となる。しかし、人間とは奇抜なものには能力が低くともひかれてしまうものである。たぶん、それだろう。
「では、スポットライトの光を浴びた6人こそ次期生徒会役員だ!」
ダラララララ……
ドラムロールにあわせてスポットライトがいろいろな場所に動く。と言っても、入学してからまだ1週間もたっていない一年生は最初から除外だろう。なので気にすることもない。
ラララ……
だんだんと音が小さくなっていく。
バッ!バッ!バッ!
1つ、2つとスポットライトが当たっていったと思ったら前が明るくなった。まさか誰か一年生が選ばれたのか。
周りを確認してみる。しかしおかしい。なぜか俺が中心のように見える。なんかみんな見てるし。
「君たちがこれから生徒会だ!!」
一応もう一度確認してみるが、やっぱり俺のようだ。
「って、俺!?」
こうして高校に入学して1週間ですら普通の生徒になれなかった。
どうも、高校生はつらいのだ、作者のヒッキーです。
話は動き始めた。プロローグに深い意味などない。次は初心表明演説です。
ではでは、さよなら〜。