4月ー18 殴りこみ
「よし、校長室に乗り込むよ!」
いろいろとあった……いやまあ、このごろはいろいろありすぎたが、ヤクザと一悶着あった次の日、予想通りといえば予想通りでメエは校長を説得(脅し)に行くと言った。
「できればもう少し待ってくれませんか?証拠をもっと完璧なものにしますから。」
「これだけあれば大丈夫!」
勝手に突撃。バカなんだから周りの言うことぐらいきいてくれ。
「俺が先に行っとくんで、さっさと証拠をお願いします。」
「わかった。」
「……で、誰かついてきてくれないの?」
「メエちゃんを抑える自信がない!」
「私もです。」
「同じく。」
誰かメエをあやつれる要員を下さい。って、そんなことよりメエを追わねえと。
「何だね、いったい!?」
一足おそかった。すでに突撃していた。
「どうもです。」
「お前ら、生徒会が何のようだ!」
強く言ってはいるが声が震えている。
「生徒会の独自の調査で、あなたに業務上横領の疑いがかかっています。」
「な、何!?」
「業務上横領って何?」
メエはたのむからだまっててくれ。
「な、なにを根拠に!?」
「だから、生徒会独自の情報網です。」
「その情報とやらはどこだ!」
まあ、今まとめ中、とは言えないな。
「そう簡単に出すわけないでしょ。」
「なぜだ!出さんとわからんだろ!」
うっ!まさか、まともな返答がくるとは!さて、どうするか。
「俺は生徒として校長先生にちゃんと自分の口から言ってもらいたいんです。」
「なんでいきなりそんな優しい感じになっている!?」
やばい!あまりにも優しく言いすぎたか!
「すまない、間に合ったか?」
「あ、ぎりぎりです。」
やっとマジさんがきた。そういえばマジさんは何をしていたんだ?パソコンは専門外だから気にしなかった。
「これが証拠です。」
ボイスレコーダーを取り出した。
『「このごろなかなか来てくれないじゃない。」
「去年の生徒会はめんどうなやつが多くてな。でも今年はバカが多いから多いから大丈夫だ。」』
「!!」
これはたしかラブが書いた校長と変な女の会話か。しかし、なんで声まで入っているんだ。
「あなたとキャバクラの女性の会話で間違いありませんね。」
「し、知らない!」
あくまでしらをきるつもりらしい。
「本当のことを言って下さい!」
「だまれ!勝手に濡れ衣をきせるな!!」
メエは迫力におされてしまった。俺は何かを言おうとしたマジさんを右手で制した。
「校長。」
「何だ!」
「こちらは横領した金を返さなければ手にいれた資料をもとに提訴させてもらいます。」
「なっ!」
校長はありえないという表情をした。
「ねぇ、提訴って何?」
お前はだまっていてくれ。たのむから。
「お……」
「さっさと決めてください。」
質問を受けつけないような強い口調で言った。
「う、わ、わかった。だから提訴だけはやめてくれ。」
「わかりました。ちゃんと返したのが確認できたら提訴はやめます。ほら、帰るぞ。」
「?……わかった!」
ずっと提訴の意味を考えていたがあきらめたようだ。
こうして予算の問題については見事に解決した。そしてメエの生徒会長クビは見送られた。
開明高校……どこにあるかは特に決まってないゼロたちのかよう高校。生徒数は720名。全寮制の高校で第1館(外から見たらほぼマンション)に全体の3分の2ぐらいの生徒。残りの3分の1が第2、第3館に入っている。
次回は生徒会についての説明。