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開明高校生徒会録  作者: ヒッキー
12月
160/172

12月-14 ミッションスタートだ!

 視点変更がアホみたいに多いのでご注意ください

「さて、いい頃合いだな」


 日の出予定時刻の約1分前。俺たちは門の近くで隠れていた。


『南門、ハルちゃん&ラブちゃん部隊、所定の位置についたよ!』


『西門、榊もついた』


 もはやお馴染みとなった耳にはめる無線機(電波妨害対策済)を通して声が聞こえる。


 全員、配置についたらしい。あとは、マジさんが電気式のこの門を開いてくれたら突入だ。


 ギィィィィィィィ!


 門が開いた。俺はまっすぐに突入した。中には10人ぐらいの黒服。門の音を聞いてさらに集まって来ている。


「思ったより多いが、やるしかないな」


 俺は木刀を構えて進んだ。






「きっついねぇ」


 突入してから約3分。完全に劣勢です。敵は7人。ハル先輩は余裕そうにしてるけど、かなりきつそう。


「どっせ〜い!」


 ハル先輩が1人倒してる隙に、1人がハル先輩の横を抜けてこっちへきた。


 ……右!


 私は避けるとスタンガンを相手の胸に当ててスイッチを入れた。黒服が気絶した。


「うむ。ハルちゃんの予想ではもっと少ないと思った……てい!」


 そう言いながらハル先輩はまた1人を倒した。


 ゼロくん、できるだけ急いでください。






「……きつい」


 私は突っ込んでくる男を投げ落とし、踏みつけた。しかし、まだ5人は残っている。


「……多すぎ」


 もともと1対多は苦手なのに。


「疲れた」


 私は愚痴をこぼした。足下に転がる男を踏みながら。なぜか残りの男は奇異な目でこっちを見ている。


「さて、どうしよう」


 男たちはこっちの技が何かをはかりかねているみたいで、あまり派手に突っ込んでこなくなった。目的は時間稼ぎだし問題ないけど、いつまで持つだろうか……


 ギィィィィィィィィ


「ん?」


 開きっぱなしのはずの門が閉まり始めた。


「……もしかして、ピンチ?」






「くそっ!」


 門の操作の権利を取り返された! まだ監視カメラのほうは取られてないが、このままじゃ時間の問題だ!


「……」


 まだだ。まだ監視カメラはこっちにある。あそこさえ奪い返されなければ大丈夫だ。


 カタカタカタ……


 きた!!


「簡単には落とさせない!」


 カタカタカタ……


「……」


 カタカタカタ……


「……」


 まずい。押し切られる……


「おやおや? こんなところに秘密の小部屋が?」


「誰だ!?」


 敵だと思って振り向いた。しかし違った。そんな状況で現れたのは、ここにはいないはずの人間だった。






 ギィィィ


「……止まった?」


 ギィィィィィィィィィ……


 閉まりかけていた門が止まり、また開き始めた。


 その瞬間、黒服たちが動いた。3人がタイミングをずらしらながら突っ込んできた。私は最初の黒服をさばいたけど、その後ろは体勢的にさばけない。


「くっ」


 これは、やられる。


「1人相手に3人がかりなんて恥ずかしくないんですか!?」


 しかし、それは止められた。突然現れた、影によって。だけど、まだいる。


「おかしなこと言ってんじゃねえよ。こういうルール無用な戦いは勝ったほうが正しいんだよ」


 もう1人の黒服は吹っ飛ばされた。


「なんでいるの、志木先輩、波照間先輩」


 現れたのは風紀部部長、志木先輩と生徒会前副会長、波照間先輩だった。






「門が……」


「やばっ!」


 ハル先輩も門に気を取られたらしく、黒服が2人きた。


 なんとか1人はかわして倒したが、もう1人はかわせない。


「きゃっ!!」


「ラブちゃん!」


 ハル先輩が助けようとこっちにかけてくるのが見えた。しかし、その後ろには黒服が3人、ハル先輩に近づいている。


「ハル先輩!」


 思わず叫んだ。ハル先輩も気付いたみたいだったが、ハル先輩は止まらなかった。


 そこで不思議なことが起きた。黒服たちが、4人が全員、空中で止まった。


「え?」


 私にはなにが起きたかわからなかった。しかし、ハル先輩は笑った。


「来てくれると思ったよ」


「うるさいです。私だって来たかったわけじゃありません」


 ハル先輩の近くの空中で静止している黒服3人に何かが飛んでいった。黒服に当たって落ちた物を確認してみると……シャープペンシル?


「愛佳! 伏せて!」


「え?」


 私が伏せた上で足が振りぬかれた。それは空中で止まっていた黒服のあごにヒットした。そして、空中の黒服たちは地面に落ちた。


 後ろを見たら3人の女子がいた。


「ヤッホー! 姫ちゃん、ユウちゃん、飛鳥ちゃん!」


 そこにいたのは式守さん、アスカちゃん、花咲さんの3人だった。






「……門はどうにかなってくれたみたいだが、やばいな」


 メエのいる近くは警備を厳しめにしていることは予想していたが、予想よりも多すぎる。すでに10人ぐらいを倒したのに、まだ2〜30人はいる。来ることが読まれていたか?


 いや、それにしても多すぎる。人がこんなにいたところで、見つからないように作られたこの屋敷で必要になるとは到底考えられない。……あの人がいる、もしくは手を回したのか?


 ガッガッ!


 そんなことを考えているうちに黒服を2人倒した。しかし、このままだとジリ貧だ。これは賭けだが、突っ込むしかない。囲まれたら負けだが、やるしかない。


 俺は息をゆっくりと整えた。そして、一気に走り出した。止まったら負ける。俺は勢いのまま進んだ。薙ぎ倒して進む。しかし、数が多すぎる。


 ガッ!


「くっ!?」


 後ろから殴られた。ダメージはほとんどないが、体勢を崩された。無理やり体勢を立て直そうとしたが、黒服が前から来ている。


「八点乱突!」


 前方を乱打し、なんとか敵は処理できた。しかし、完全に足は止まった。


「……やばいな」


 囲まれた。どうする? 力技で逃げるか? ……いや、ここを強引に行けても、後がどうにもならない。


 賭けは……負けか。


「ぐわっ!」


 突然、黒服数人が吹っ飛ばされた。


「おやおや? まさか天下の生徒会副会長様が敗北かい? それはダメだよ。生徒会役員は常に強く、正しく、おもしろく、そして……」


 そこから現れたのは、正直見飽きた金髪のイケメン。


「もっとも真面目で謙虚な生徒の模範にならないといけないぜ」


「……どの口がほざいてるんですか」


 前生徒会会長、斑目龍騎はその言葉に、にやりと笑って応えた。


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