4月ー15 逆転
「はあ。」
そんなこと言われてもそんなことがわかるはずがない。俺たちは誰一人として中の会話がわかるはずなどない。まさか、マジさんが盗聴器でも取りつけていたのか?
「これはラブが書いたものだ。」
「ラブが?」
ますますわからない。なんでラブが会話の内容を知っているんだ?
「なあ、ゼロ、愛川ラブって知ってるか?」
「愛川ラブ?」
メエが?マークを出している。どっかで聞いた気がするな。なんか一時期有名だったはずだが、何をしたっけ?
「愛川ラブ。12歳で小説の新人賞をとりデビュー。新人賞受賞作の『砦の中の私』はベストセラーとなり、2作目の『野郎なんかいらない』、3作目の『私と僕と空の上』もベストセラーとなった現在1番勢いのある若手作家。しかし、今は活動休止中。」
榊がとてもわかりやすい説明をくれた。
「そこまで説明できるならメエの説明役ぐらい変わってくれよ。」
「わたしはあくまで辞書的意味でしか説明できない。それだと会長には説明できない。」
「文字がいっぱい。」
榊の説明を聞いて頭から煙をあげているメエがいた。たしかに榊では毎回のようにこうなるかもしれない。
「ねえ、ゼロ。さっきの榊の言葉を日本語に訳して。」
どうやらメエの頭はあれを日本語とは認識しなかったようだ。
「この春のドラマはわかるか?」
「もちろん。」
「その中に『砦の中の私』ってなかったか?」
「ええと……」
まあ、さっきも出てこなかったんだから、出てこないと思ったけど。
「新人を使いまくっているけどドラマ視聴率トップをとったやつだ。」
「ああ、あれ!」
やっとわかってくれた。
「それの作者が愛川ラブだ。」
「なるほど。」
やっと理解した。これならまだ小学生に教えるほうが数倍は楽だ。
「そういえば、その愛川ラブがどうかしたんですか?」
「ラブはそれだ。」
「……すみませんけど、もう一度言ってもらっていいですか?」
なんかありえないことが聞こえた気がする。
「だから、ラブは愛川ラブ本人だ。」
「……」
もう驚きすぎて声もでない。
「こ、こんなのでたらめよ!」
いきなり相手の女がいった。いったい何のことやら?ええと、そういえばラブ作、校長とこの女の会話についての途中だったな。ラブの衝撃の事実ですっかり忘れてた。
「勝手な作り話を勝手に聞かせて、あなたたちは何がしたいのかしら?」
あれだけあからさまに動揺しておきながら、よくばれていないと思っていられるな。いや、ばれていないと思いたいのかもしれない。
「ゼロ、これに書いてある支払いの発生するものを書いてくれ。」
女のことは完全に無視するつもりらしい。
パラパラパラ
「えっ!そんな速度で読めるの?」
メエの言ったとおりでかなり速いかもしれないが読めないこともない。それに出てきた金のかかりそうなものを全部書き出してみる。……けっこうあるな。
「できましたよ。」
とりあえずリストにはしたが何をするのか?
「ではハル、これとこの値段表を使って今日、校長が使った金を調べてくれ。」
「わかったよ。」
何でハルさんだ?マジさんがやればいいのに。
「できたよ。」
「はやっ!」
渡してから数秒しかたっていない。
一応確認してみたが、ちゃんとしている。
「あんたたち、何者なの!?」
もう口調が変わった。これが素の口調か。
「ボクたちは開明高校生徒会だ!」
「すでに登場と同時に言っているがな。」
しかし、どうも信じてはいないようだ。
「ただの生徒会がこんなことができるわけないでしょ!」
「それが開明高校生徒会!」
「さて、無駄な会話はこれくらいにして帰るぞ。」
俺はさっさと帰ることを提案した。
「どうして?このまま攻め続けようよ。」
「その通りだ。今攻めなくていつ攻める。」
めずらしく誰かの意見とメエの意見が合った気がする。よろこぶべきことなのだろうが、このときは素直にはよろこべない。
「マジさん。急がないと東京湾で沈むこととなります。この意味がわかりますね。」
「……そんなにやばい場所なのか、ここは。」
ここまで言うとわかったようで全員驚きとともに、少し顔を青ざめた。ただ1人を除いては。
「なになに?もしかして東京湾で潜水艦にでものれるの?」
「さて、ということで撤退を……」
ガタンッ!
どうも、日々変化したい、作者のヒッキーです。
それが開明高校生徒会!このセリフが好きです。次で終わりになるか!?
では、また会いましょう。