表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
開明高校生徒会録  作者: ヒッキー
12月
157/172

12月ー11 タイミングを狙え!

 何度目か忘れたすいません!!!!

 全員の表情に驚きはなかった。


「……やっぱりって感じだな」


「ねぇラブちゃん、ちょっと廊下に出て」


「え? はい」


 いきなりハルさんが口を開いたと思ったら、なぜかラブを廊下に立たせた。結果的にラブと正面で見つめあう形になってしまった。


「えっと……ハルさん。どういうつもりですか?」


 ハルさんだから嫌な予感しかしないが。


 キッ!


 バスがブレーキをかけた。そんなわけで、体が少しだけ後ろに持っていかれる。


「どーん!!」


「きゃっ!」


 そんなタイミングでハルさんはラブを後ろから押した。当然、ラブはこっちに突っ込んでくる。避けようにも廊下は狭いし、そもそも避けたらラブが危ない。


 しかし、俺も少しだけ体勢が後ろにいっていたわけで、結果としてラブを受け止めきれずに倒れてしまった。


「いっつ……ラブ、大丈夫か?」


「はい……大丈夫で……」


「「!!」」


 目の前にラブの顔があった。それはもう見事に目の前に。


「あっ……あっ……」


 相手に心音が聞こえてるんじゃないかと思うくらい、心臓がドキドキしている。早くラブによけてほしいが、ラブは完全にパニック状態らしく、引きつった表情のまま言葉にならない音を出している。


「大丈夫でございますか!?」


「!!」


 運転をしていたじいが声をかけてきたのに驚いて、ラブが離れてくれた。


「だ、大丈夫だ。運転を続けてくれ」


 立ち上がりながらじいに言った。どうやら音に反応しただけで見られてはないようだ。


「ちぇっ」


 ハルさんがあからさまに舌打ち、というか口でちぇっと言った。


「ハルさん、なんかあからさまに残念がりませんでしたか?」


「気のせいだと思うよ〜」


 どう考えてもうそだろうが、追及したところでハルさんが認めるわけがない。


 それにしても、昨日あんなことがあって今日はこれか。……意識するなというほうが無理がある。


「……」


「あの、ゼロくん」


「な、なんだ?」


 ……少し動揺が出てしまった気がする。


「ごめんなさい。けがはありませんでしたか?」


「……ああ」


「それならよかったです。本当にごめんなさい」


「これくらい、気にするな」


 そう言うとおじぎして、ラブは自分の席に戻ってしまった。


 なんか、俺だけ変にドキドキしてただけみたいだな。よく考えてみれば、ラブが告白してきたのも俺を押すためだったし、好きじゃないかと思ったのは恋愛事が苦手な俺だしな。落ち着いて考えればわかることだった。


 俺は自分の席に座った。そういえば、俺の話はどうしようか。……いつかでいいか。どうせ、そこまで重要な話ってわけでもないし。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ