4月ー14 突入
「たのもー!!」
「誰も道場やぶりをしにきたわけじゃないからな!」
いきなりボケツッコミから始まってしまった。ああ、なんか視線がいたい。
店には客はもうほとんどいない。おそらく時間帯などのせいだろう。しかし、少ないほうがこっちにとっては都合がいい。
「なんですか?」
「開明高校生徒会だ!ここに……」
スパーン!
ハリセンがメエの後頭部をとらえた。
「いたいー。」
「いきなり素性をばらすな!」
「あの、そのハリセンはどこから?」
ラブの質問は無視。
「あなたたち、ここは大人たちの遊び場よ。子供は帰りなさい。」
「うちの校長が学校の金を使っているのは本当なんですか!?」
「そうだ、そうだ!」
ハルさんの質問にメエが便乗して言った。できれば当たり障りのない質問をお願いしたかった。
「ああ。あなたたちがあの人の言ってた生徒会ね。ごめんなさい。私は何もきいていないのよ。」
俺はそれを聞いてメエの耳元に近付いた。
「引くぞ、メエ。」
「何を引っ張るの?」
「帰るってことだ。」
「どうして?」
「ここでの騒ぎはまずい。」
そんなことを言ってはみたがやはりメエを見るかぎり引く、という選択肢はなさそうだ。
「あなたは何か知っているみたいねクールな男の子さん。」
俺のことらしい。かなりめんどくさいやつなのかもしれない。
「校長が何かをして金を手に入れていることは明白なのだよ。」
ハルさんは攻めの体勢をくずす様子はない。
「そういえば、あなたたちの校長なら株で儲けているって言ってたわね。」
「え?そうなの?」
さすがにこういうとき用に口裏あわせくらいはしているようだ。しかし、株はないだろ。あんな何もできそうにない校長が株で儲けれるわけないだろ。
「そんなことあの校長にできるとは思えないのだ。」
ハルさんはがんばっているが、このままでは無理だろう。
「マジさん。」
「何だ?」
「どう考えてもあなたの大好きな勝ち目というのが見えないのですけど。」
「そうでもないさ。」
マジさんはいったい何を待ってるんだ?この状況を打開できるような切り札はないと思う。
「できました。」
「こっちも見つけた。」
そういえばラブと榊がまったく会話に加わっていなかった。まあ、2人ともいつもほとんど参加していないから気にならなかったけど。
「ありがとう。」
「2人に何をさせていたんですか?」
「これだ。」
マジさんの手にしているのは数十枚の縦書きされたレポート用紙と1枚の横書きの紙だ。
「こっちを読んでみろ。」
「ええと、
『「このごろなかなか来てくれないじゃない。」
「去年の生徒会はめんどうなやつが多くてな。でも今年はバカが多いから大丈夫だ。」』
って、これ何ですか?」
俺には何のことやらさっぱりだ。しかし相手の女はありえないという感じの表情だ。
「これはさっきここで校長とそこの女でかわされた会話だ。」
どうも、テストに殺されそう、作者のヒッキーです。
メエはすごい。でも、これが会長の学校はやばいだろうな。
では、またどこかで。