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4月ー13 暇人

 ものすごい上機嫌みたいで鼻唄まで歌っている。


 「マジさん。」


 「わかっている。」


 マジさんは入っていく様子を写真におさめた。


 「でもさ、そんなにキャバクラに行くのがだめなことなのかね?」


 ハルさんがそう言った。


 「そんなことボクは許さないよ!」


 「私もいやですけど、だめとは言えません。」


 まあ2人の言うことをもっともだ。


 「でも、それだけで予算を出させれるとは思わない。」


 「榊の言う通りだ。これだけで予算を出させるのは不可能だろう。」


 そこでマジさんが悪そうに笑った。


 「これだけならな。」


 マジさんは俺のかばんから書類を取り出した。人のかばんを勝手にあらさないでいただきたい。


 「これを見てくれ。」


 取り出した書類にはリストみたいになっており、数字だらけだった。


 「また数字がいっぱい……」


 すでにメエの頭からは煙が出そうになっているようだった。


 「これは全教師の給金の額をリストにしたものだ。」


 「うーん、なんかおかしいね。」


 ハルさんは何か違和感を感じたらしい。


 「なんで?なんで?」


 メエはほっとく方向にしよう。


 「あの、校長先生は月に10回くらいはキャバクラに行くって話でしたよね。これだけの給料で足りるのでしょうか?」


 「それがおかしいんだ!」


 「給金って給料のことなの!」


 同じ言葉でここまで感想が違うものなのか。これが核心バカと天然バカとの違いか。


 「つまりゼロくんは校長が金をどこからか違法な方法で手にいれてると考えているということですか?」


 「そんなところだ。」


 ということで校長が出てくるまで雑談でもしながら待つことにした。






 「本日のテーマは自分の弱点について!」


 だから、雑談にテーマはいらない。


 「ボクの弱点か……」


 「できれば俺は他人に弱点なんてさらしたくないんですが。」


 「さあ、まずは榊ちゃんから!」


 完璧にスルー。しかしハルさんだからどうにもできない気がするのでコンマ数秒であきらめる。


 「……人づきあいは苦手。」


 「ほう。では、仲のいいわたしたちはレアなのか!」


 「……まあ、そうね。」


 それだけでみんなが微笑んでいた。俺は笑ってなかったけど。


 「次はラブちゃん!言っちゃえ!」


 「え!あの、その、えーと……」


 「きかなくてもあがり症だけはわかるな。」


 俺の一言でみんなまた笑った。


 「はぁー。」


 ラブは大きくため息をついた。


 「続いて、マジ!」


 「こう見えて運動が苦手だ。」


 どう見たって運動よりも知能派だ。運動ができるようにはそれほど見えない。それにさわやかにスポーツをするマジさんなんて…………やばい。男の俺がときめくほどかっこいい。


 「次はゼロだね。」


 「だから、俺は他人に弱点をさらしたくなんてありませんから。」


 「なら、ゼロが言ってくれたらボクの弱点を言っちゃうよ。」


 「弱点だらけのメエの弱点なんて聞いても意味がないだろ。」


 「むぅー!」


 顔をふくらませてこっちを見た。ここまで子供っぽい行動をするとは、下手すると小学生にすら思われないんじゃないか?


 「ちなみにボクの唯一無二の欠点は運動が苦手なことだけだよ。」


 頭が悪い上に運動までできないのか。本当にこいつのいい点ってどこだ?まあ、ないことはないだろうけど。


 「あの、校長先生が出てきました。」


 外に顔が真っ赤の校長が女性に手をおもいっきり振りながら上機嫌で帰っていった。


 「マジさん、写真はとれましたか?」


 「高解像度な携帯のカメラと完璧に手ブレのない使い捨てカメラ、どちらがいい?」


 「……携帯のほうは現像みたいなものができますか?」


 「もちろんだ。」


 「ならそちらでお願いします。」


 なんか、まあとれてるならいいや。


 「これから突入?」


 「いや、帰る。」


 わくわくしているメエにはわるいがこれ以上の情報は期待できないし、突入して校長の身辺を調査していることがばれれば、この後の調査に影響の出る可能性がある。それだけはさけたい。


 「なんで?」


 「早く戻らないと怒られるだろ。」


 「ふふふ。」


 マジさんが不敵に笑いだした。まだ数日のつきあいだがこういうときはたいていめんどくさいことをしてくれる。


 「全員分の外泊届をちゃんともらってきておいたさ。」


 外泊届とはそういうとおかしい感じだが言ってしまえば帰宅届となんら意味は変わらない。つまり、これがあれば1日は寮に戻らなくても大丈夫だということだ。しかも、門限をすぎた時間に学校に戻っても許されるというなんとも利点ばかりのものである。しかしそのため、発行の条件が厳しく、そうそう発行されるものではない。


 おそらくマジさんが生徒会の権限を使ったのだろう。余計なことを。


 「じゃあ突撃!」


 「だからだめだって言ってるだろ!」


 「レッツゴー!」


 「あおらないで下さい、ハルさん!」


 「ゴー!」


 勝手にメエとハルさんが突入しに行ってしまった。だから行くなって言ってるだろ。


 「あきらめろ。こうなってしまったらもういくしかないだろ。」


 たしかにここまできたら行くしかないが、ここで問題がおきないことを願う。


 どうも、テストがやっと終わった、作者のヒッキーです。

 早く行けよ。しかもメエがいなかったらここで終了予定かよ。こういうときメエがいてよかった。

 では、また会いましょう。

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