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開明高校生徒会録  作者: ヒッキー
11月
137/172

11月−10 さらばゼロよ、永遠に

 「さて、どうなってることやら。」


 選挙公示から3日目の放課後。俺は生徒会のほうに向かった。一応、俺の所属は生徒会側になっているので、時々ぐらいは顔を出しておかないといけない。


 しかし、掃除もあったし、いろいろとやらないといけなかったせいでかなり遅くなってしまった。


 「ゼロについてだ。」


 生徒会棟の生徒会室。その前で俺は立ち止まった。中から聞こえるのはマジさんの真剣な声。


 「ゼロが西蓮寺の勢力と何度も会っているという情報もすでに入ってきてる。さらに、ハルが予算と議事録のコピーを手伝った。会長、やはりゼロは裏切っていると見るべきです。」


 会うのを悟られないなんて不可能だからと思って、ある程度は堂々と会っていたけど、思ったよりも早く悟られたみたいだ。


 「でも、ゼロくんが裏切ってるなんて信じられません。」


 「しかし、多くの証拠がある。」


 ラブはどうにか擁護してくれようとしているみたいだが、たしかに証拠もそろってる。


 「……いいの?」


 榊が口を開いた。


 「何がだ?」


 「はいはーい!たぶん榊ちゃんは『すでにマジは問題になって、その状態でもう1人の副会長、ゼロにも問題ありとしていいの?』ってことだと思いまーす。」


 ハルさんが代弁で説明した。というか、なぜ榊はラストのみ言った。


 ただ、たしかにこれは重要な問題だ。マジさんのことだけでも結構な噂になっているらしい(みんな気をつかってるのか俺自身は聞いたことがない)し、これでもう1人というのはあまりよくない。


 「しかし、これ以上は待てない。」


 マジさんは重く口を開いた。


 「これ以上待って、いきなりゼロが西蓮寺側についているなんて言われたら、こちらにそのダメージ抑える時間がなくなる。」


 それでまた生徒会が静かになる。


 「……今日までに決めるしかない。ゼロを味方とするか、しないのか。」


 「マジ、間違ってることがあるよ。」


 ここで初めてメエが口を開いた。


 「ゼロは裏切ってなんかない。最初に言ってたでしょ。ゼロは常に中立と敵側で揺れてる。だから、ゼロがどこかに行ってもそれは裏切ってるわけじゃないよ。むしろ、それが正しいんだ。」


 ……今さっきのセリフはメエか?ハルさんの声まねや原稿があるわけじゃないよな。


 「だからさ……遊ぼうよ!こんなつまらない会議やめよう!」


 やっぱりメエだった。さて、もういいか。


 ガチャ


 「「!!」」


 マジさんとラブは驚いた様子でこっちを見たが、メエ、ハルさん、榊はそれほど驚いていない。なんとなく気付いていたんだろう。


 「俺は出入り禁止でいいと思います。」


 俺はゆっくりとそう言った。


 「マジさんの考え方なら……」


 「ゼロ!!」


 メエによってさえぎられた。


 「どうした?今話してる……」


 「どうやったら、遊○王で勝てるの?」


 「……は?」


 よく見ると、メエの手には○戯王カード。


 「必勝法教えて!」


 「なぜそうなる!?」


 「ハルに勝つため!」


 ハルさんの方を見るとカードをひらひらさせてる。


 「もしかして、何もしてなかったのは……」


 「メエちゃんがはまったんで。」


 ラブは苦笑いしながらそう言った。正直、心配して損した。


 「選挙が終わるまでにルールとか覚えてやるから、今は選挙をがんばれ。」


 「約束だよ!」


 「もちろんだ。」


 俺はメエの側を離れていき……


 「選挙当日ぐらいはちゃんと演説させて下さいね。」


 マジさんにそう言って帰った。


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