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開明高校生徒会録  作者: ヒッキー
11月
134/172

11月−7 少しずつ動き出す

 次の日の放課後。俺はある教室を目指していた。物理実験室。そう書かれた教室の扉を開いた。


 「やあ、来てくれたのかい。」


 そこにいたのは新島馨。西蓮寺日香理はいないようだ。


 「ここに来てくれたってことは、理解してくれたみたいだね。」


 「ええ。西蓮寺さんの特徴について考えてたらわかりました。」


 メエと西蓮寺さんの特徴。それは生徒会に本気であること。もちろん他のメンバーも本気だ。しかし、それに打算的な部分が入っていないと言えば間違いなくうそになる。


 しかし、メエは打算も何もなく、ただ純粋に思っている。そんな人間はよっぽどのバカだ。だから、側近がうまく操作しないと本当にただのバカ、できればある意味最強の主導者となれる。


 つまり、潰すなら側近からだ。


 「かなりいやらしいですね。でも、一番正しい。」


 「僕にとってはそんな言葉、最高の誉め言葉にしかならないぞ。」


 相変わらず嫌な笑顔だ。


 「ただ、1つわかりません。マジさんにはあんな方法を使ったのに、なんで俺にはこんな回りくどい方法で来たんですか?」


 わざわざあんな方法って濁してやったんだ。答えろよ。


 「簡単だ。リスク管理と確率。」


 「……」


 「真島は優秀な補佐役かもしれないが、融通がきかない。こんなことに気付いても来るはずがないだろ。それに対して君は来てくれた。」


 確かに、いくら不利な状況でもマジさんはメエを裏切りはしないだろう。


 「さらに、高月に何かをしても潰される。そう考えた。」


 潰すって。まあ、もしマジさんと同じ状況になったとしたら、事件自体をなかったことにするかもしれないけど。


 「そしてこれが一番重要。僕は高月をメンバーに入れれば間違いなくプラスになると確信している。僕らと一緒に素晴らしい学校を作ろう。」


 ……なんでここまで胡散臭くできるんだろう?気になるが、そこは置いておこう。


 それにしても面倒な状況だな。マジさんが狙われ、その状況で俺がどちらにもつかないというのはダメだ。それだと誰が勝つか読めない。


 このままメエについても片腕をすでに折られている。勝てるかはかなりあやしい。


 「質問、いいですか?」


 「もちろん。」


 「西蓮寺さんが言うには俺がそっちにつけば楽+暇人の称号がもらえるらしいですけど、それはどういうことですか?」


 「それか。簡単な話だ。お前は何もしなくていいってことだ。」


 何も、か。


 「もちろん、選挙期間は手伝ってもらう。君がこっちについたってわかってもらわないとな。」


 つまり、選挙が終わったら副会長である、と名前だけ貸せばいいということか。


 「……わかった。手伝うよ。」


 俺はあっさりと答えを決めた。


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