11月−5 旧勢力、最後の1人
「あ〜きやす〜み、なんてない♪秋休みを作ろう!!これでどう!?」
「どんだけはてしないマニフェストですか!?」
そんなわけで放課後、メエがどういうことについて押し出すかを話し合いしていた。と言ってもマジさんとラブが生徒会長立候補者のチェックに出ていて、榊には過去の選挙のデータを持ってきてもらってるわけで……
「でも、秋休みっていいよね!なんていうか、スポーツ、読者、食事。秋をたんのうできるよ。そうだ!スポーツ大会を開こう!」
「お前は秋がもう終わるのにするつもりか。後期の任期でできるものにしろ。」
「3学期を全て休みに!!」
「ハルさんは黙ってて下さい!!」
こういうことだ。メエは実現できても票があまり集まりそうにない意見を出してくるから、いろんな理由で却下。ハルさんにおいては実現できないことがわかりきっている意見を大量に出してくる。
まともな意見なんて出るわけなく、俺が突っ込みに回っているうちにもう20分近くたっている。
「それにしても遅いね、マジもラブも。」
そういえばそうだ。榊は1階から資料を持ってあがってくるのにときどき上がってくるが、マジさんとラブは出ていって1時間くらいになる。
「なにかあったのか?」
「たぶん、初日だから混んでるだけじゃないの?結構、うちの生徒会選挙ってガチだし。」
それだけだといいんだが……嫌な予感がする。
「失礼!」
いきなり誰かが入ってきた。目付きのあまりよくない黒髪の男。見た目は不良みたいだが、その手の雰囲気はない。それよりもヤバイ雰囲気はしているけど。
「ここが生徒会室でそこにいるのは生徒会長、副会長、会計で間違いないな。」
いきなり入ってきて何を言ってるんだ?
「そりゃそうでしょ。あなただって去年いたんですから。」
ハルさんがそう言った。……去年?
「一応だ。ということで、3年選挙管理委員、波照間 陽。今年の選挙管理委員会委員長を、去年は生徒会副会長をやってやっている。」
「!」
これがもう1人の前年度生徒会副会長。資料で見たことはあったが、実際に会ったら思った以上だ。
「ま、間違いないよ。」
「そうか。」
キンッ!
いきなり攻撃してきたのを木刀で止めた。
「え?え?」
メエは不思議そうに見ており、ハルさんはのんびりしているようだが、すぐに攻撃に移れるような体勢をとっている。
「やるねぇ。」
「白鞘に鍔のない刀。ドスですか。そんなもの学校に持ってきたら怒られますよ。」
「ちゃんと去年の生徒会と学校の許可は得てるぜ。」
「だからって人に向けていいものじゃないでしょ。それと……」
キンッ!
「ぐっ!」
ドスを弾き飛ばした。
「現生徒会の許可もとってほしいですね。」
「ちっ。」
俺は木刀の届く範囲で構えた。これなら逃がさない。
「……降参だ。」
波照間さんは両手を上げた。俺は構えをといて……
「なんちゃって。」
ひゅっ!
「……」
「……」
構えをといた瞬間に攻撃を仕掛けてきた波照間さんの首元に俺は木刀をあてていた。
「さすがだな。」
完全に攻撃意志が感じれなくなったので、俺も構えを完全にといた。
「いったいなんですか?」
「ただ、あいつが選んだやつを確認したかっただけだ。これはついで。」
「?だったら本題は?」
まさか俺のについてか?でも、あれは特別取り上げるほどの問題にはならないはずだが。
「生徒会副会長、真島 行人に暴力行為の疑いがかけられた。」