11月−1 開戦は目の前に
11月が始まりました!!そして皆さんに謝罪します!!
メエの誕生日、かってに変えました。ごめんなさい!!
それでは11月、できれば楽しんで下さい。
季節は11月。風もだいぶ冷たくなっており、だんだん布団から出たくなくなってくるのだろう。
「まったく、面倒な季節が近づいてきたもんだ。」
「ゼロくんも冬はきらいですか?」
小さな声でつぶやいたのだが、お茶を汲んできてくれたラブには聞こえたらしい。
「も、ってことはラブもか?」
「はい。暑いよりも寒いほうが苦手です。手がかじかみますし。あ、お茶いりますか?」
「いただくよ。はぁ。これからもっと温かいお茶がおいしい季節になるんだろうな。」
「何を言ってるのだ!?」
「そうだそうだ!!」
そんなおだやかな時間もおだやかにできないのはいるわけだ。
「冬には雪が降るんだよ!雪だるまだよ!かまくらだよ!!」
「それだけじゃないよ、メエちゃん。ウィンタースポーツにも目が離せない!スキーにスノボ、そして雪合戦!!石を入れるのはご法度だよ!!」
なんでこのコンビはこんなにテンションが高いのだろうか?いやまあ、いきなり1日中ローテンションでいられたらそれはそれで心配するんだけど。
「マジさんはどうですか?」
現在、唯一まじめに仕事をしているマジさんに振ってみた。ちなみに、他はサボりじゃなくて、仕事を終わらせただけだから。
「私は冬のほうがありがたいな。だいぶよくはなったが、パソコンの排気熱があるからな。」
やっぱりマジさんは冬か。イメージ的にそうだっただけなんだが。
「さあ、これで3対2!冬きらいが不利だよ!!」
「いつから戦いになった。」
「人は、戦わなければわかりあえない、愚かな生き物なんだ。」
ハルさんが何か言ってて、メエが感動している。ラブは苦笑いしながら聞いてる。俺は……無視してお茶でも飲んでおこう。
それにしても榊は遅いな。今日は面倒な掃除場所に当たったからかなり遅れるとは言ってたが……先生に何かを頼まれてるかしてるのかもな。
ガチャ
「こんにちは。」
考えていると榊が入ってきた。
「掃除は終わったのか?」
「あまりにも面倒で教室を爆破した。そうしたら怒られた。なんでだろう。」
「むしろ怒られただけですんだことに疑問を持て。」
「教室を爆破したことはいいんですか!?」
「よくあること。教室爆破ぐらい。」
「ありませんよ!!」
榊が入ってきて、やっと全員そろった。
「さて、榊!」
「あなたは冬が好きですか!?」
そして、やっぱりやって来た。
「冬?……あまり好きじゃない。」
「「ええっ!?」」
「なんでなんで!?」
「冬だぞ!?ウィンターだぞ!?吹雪、雪山、遭難だぞ!!?」
ハルさん。なんでだんだんマイナスイメージを持ってきてるんですか?
「……あまり好きじゃない。」
「なんで!?」
「そもそも、武術をやってた人間は裸足ですることが多いし、入念に準備運動しないといけないから冬は嫌な季節なんだ。」
「でも、雪はいいかも。」
「?なんでだ?」
もしかして、外のランニングがなくなるからか?でもその分練習量は増えないか?
「……雪の上で人を踏んでみたい。」
「よし、この話は終了だ。」
そもそも、寒くなってきただけで冬なんてまだ来ていない。
「それよりも目の前のことが先だろ。」
「そういえば、預かってきた。」
榊がカバンから封筒を取り出してこっちに投げてきた。俺はそれを受け取ると中を見た。
「やっぱりこれか。ラブ、こいつの名前のところにメエの名前を書き込まさせてくれ。」
「はい。」
入っていたのは生徒会選挙の出馬申請書類。それをラブに渡した。
初めてこの話を聞いたときは、生徒会は前会長が指名するんじゃと思ったが、それだけだと生徒会にどんな人間が選ばれるかは前会長の独断のみになってしまう。ただでさえ他の学校よりでかい権力を持った生徒会だ。だから、毎年11月に選挙を行っているらしい。
生徒会の権力を狙う奴、純粋に学校をよくしたい奴、推薦のための点数稼ぎなどいろんな奴が出馬するため、毎年なかなかの波乱があるらしい。
「まったく。面倒は尽きないな。」
ラブがメエとマジさんの署名がはいった書類を持ってきてくれて、俺も名前を書いた。
「さて、今月は何が起こるのやら。」