9、10月−54 変態な戦いがある
キャラ崩壊!!
「さて、どうする?」
「……今、俺はお前に言いたいことがある。」
「何?卑怯とか言われても気にしないわよ。」
俺は大きく息を吸った。
「お前のことが好きだ!!」
「……へ?」
式守が鳩が豆鉄砲くらったみたいになった。
「聞こえなかったか?だったらもう一度……」
「聞こえてるわよ!そうじゃなくて、あんたは一体何を考えてるの!?」
「考えてること?それはもちろん……」
「やっぱり言わなくていいわ!なら、なんで初対面の私に告白なんてするの?」
「お前の噂はよく聞いていた。しかし、同じ学年なのになかなか見かける機会がなく、どんなやつなのか気になっていた。そして、会ってみたら俺のストライクゾーンど真ん中だ!!だから俺の彼女になれ!!」
「どんな理屈よ!?」
なかなか折れてくれない。こうなったら……
「なんで俺の気持ちに応えてくれない?」
そんなことを言いながら近づいていく。だんだん距離が縮まっていく。
「い、いや……」
「なぜなんだ……」
「やめなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああい!!!!」
後ろからメエの叫び声。それに式守が体を震えさせた瞬間、俺は一気に駆けた。
「!!」
式守が気付くが遅すぎる。俺の斬撃は、式守の首元ですん止めされた。
「え?」
「さて、行くぞ、メエ。」
「わかった。」
何事もなかったかのように式守の横を通りすぎて俺は屋上に向かった。志木さんも式守も呆然と見つめる中。
「他のメンバーはもう終わってたか。」
屋上にはすでに5人がいた。……5人?
「ハルさん、なんでその女の子がいるんですか?」
ハルさんは1/1スケールのぬいぐるみを抱くように満面の笑みで少女を抱いていた。抱かれている少女はどういう表情をすればいいのかわからず困っている。
「みんなに紹介!この子は姫ちゃんだよ!」
「知ってますよ。1年風紀部の花咲 姫子でしょ。榊と同じクラスだから何度か顔を見てますよ。な、榊。」
「……?」
「なんだ、その知らないみたいな顔は。」
「知らないわけじゃない。ちょっと記憶にないだけ。」
「それは知らないと同義だ。いや、覚えてないか?まあ、どっちにしろ失礼だろ。」
「いえ、あの、私があまり目立つタイプじゃないので。」
なんか、完全に恐縮し始めたのでこの話題は終了。花咲はいても大きな問題はないだろうし、メエが仲間はずれはうんぬん言い出したので問題なしと判断した。