4月ー11 隠密
「どうもです。」
「男2人で外出なんてむなしいな。」
言ってほしくなかった。
そんな事実を受けいれたくはなかった。
「それよりも俺はボケのいないこの状況でどこまで話がもつのかが気がかりですよ。」
「ならばそんな悩みをわたしが解決してしんぜよう。」
「へっ?」
後ろから声?
「やはー。」
そこにはハルさんが笑顔でいた。
「なにようですか?」
「おもしろそうなことに首を突っ込むのはわたしの趣味なのだよ。」
そんなものなのか?やっぱりハルさんは油断ならない。
「あきらめろ。これに何を言っても無駄だと思わんか。」
「……その通りですね。」
「その通りなのだ。」
ハルさんに言われるとそうするしかないような気がしてしまう。
「しかし、ゼロは暗いねぇ。」
「暗い?」
「服のことじゃないか?」
自分の服を見てみる。
ジーンズに黒の上着、暗いけどわざわざ言うほどか?
「それにボサボサだな。」
「それは言わないでください。」
実は俺はものすごいくせっ毛である。いつもは完全に直しているのだが、今日は直しきることができなかったせいなのか連動したかのようにいろいろなところがはねだしたのだ。
「そういうハルさんは派手ですね。」
そういえばまったく描写にいれていなかったが、ハルさんは金髪で青い瞳、見た目だけならば外国人みたいだ。聞いた話だとクォーターらしく、顔立ちもしっかりしている。
そんなハルさんは水色のフリルつきの服を着ておりかわいいんだけど、派手だ。
「見た目など気にするな。」
そういうマジさんはジーンズに黒のTシャツの上に白色のをはおっている。……はあ、自分の語彙力のなさが悲しくなる。
しかもこれも言わなかったがマジさんは銀髪のロン毛を後ろでまとめており、緑色の瞳をしている。……考えてみると外国人2人といる日本人学生みたいな図になっている。
「さて、行くか。」
「どこに?」
ハルさん。おもしろそうとかの前にもっと考えてから行動しようよ。
「今日は本屋やホームセンターに行くつもりだ。」
「読みたい本を探したり、日用品をそろえに行くんです。」
それを言うとハルさんは目をかがやかした。
「今日はコミックの発売日なのだよ!なんてラッキー。わたしの日ごろの行いのおかげかもね。」
「……そうですね。」
もうどうでもいいや。
「いやー、本屋は最高だねー。わたしはマンガのところにいるから用事がすんだらよんでねー!」
一瞬のうちに消えていった。
「例えるなら台風ですかね?」
「もっとすさまじいうえに、停滞ぎみだな。」
マジさんとかるく笑いながら俺らもそれぞれわかれた。
「……ハルさん、何がおきたんですか?」
ハルさんは両手に紙袋を持ってやって来た。
「いやー、久々に来たから買いたいマンガがたまっていたから買いまくったのだよ。」
いくらなんでも買いすぎだろ。この前はアニメについて熱く語っていたし、そういうのが好きなんだろう。
「そういうゼロは何を買っちゃったのだい?」
「読みたかった本や中を少し見ておもしろそうなのを買ったんです。」
そんなかんじで5冊ぐらい文庫を買ってしまったのだが。
「もうそろそろ行くか?」
マジさんも本の入ったであろう紙袋を持っていた。
「マジさんは何を買ったんですか?」
「週間経済と月刊世界市場。」
さすがマジさんだ。読むものもそれらしいものだ。
「次はホームセンターだよね。」
「そうですね。」
時計を確認してみた。そろそろ5時くらいになる。
「……すみませんけど他にも行く場所があるんです。そっちが先でいいですか?」
「もちろんだとも。」
そういうことで俺を先頭にある場所に向かった。
どうも、眠気とは人間が抗えないものである、作者のヒッキーです。
もはや生徒会活動の域を超えてる気がする。でも気にしない。