9、10月-39 嵐の前の静けさ
有無を言わさない感じだな。とにかく状況がわからないな。
「会長、ゼロ!」
「あれ?マジ?」
マジさんは完全に浮いている青色きらきらの貴族っぽい服を着ている。正直、かなりまぶしいです。
「なんですぐに見つかったかは聞きません。とにかく、状況はどうなってますか?」
「そこは問題ない。うちの生徒たちを先頭に滞りなく体育館に向かっているらしい。」
前生徒会も現生徒会もむちゃくちゃをすることが多かったから、うちの生徒が普通に動けたのはありがたい。なんだかんだで来る客が生徒数を越えるなんて考えられないから、生徒が動けばみんなついて行くはずだ。
屋上から下を見てみるが、ちゃんと体育館に向かっているらしい。
「しかし、こうなると相手の目的と体育館に集めた理由が気になりますね。」
「それだ。」
マジさんがパソコンを開くと学校の立体図が現れた。
「まずはパソコンがある部屋だが、職員室は教員が電子ロックをかけて、情報教室は使われていないから閉まっている。」
「いや、今回はそこは大丈夫です。」
「?そうか?」
「今の最優先は体育館の中をいかにしてごまかすか。それと、校舎の中にいる犯人の確保です。」
それを聞いてマジさんは怪訝な顔をした。
「校舎か?体育館の周りではなく?」
「もちろん体育館の周りにもいますけど、おそらくそれは下っぱです。それよりも校舎にいる人間をたたくべきです。そして、それよりも厄介なのは体育館。」
今から入っていくのは難しくないが、入っても何をやるか考えておかないといけないし、何より人手が足りない。
「それについては私に考えがある。」
「本当ですか!?」
「ああ。」
「……なら、榊に体育館の周りの制圧を頼んで、体育館の中と周りのフォローのほうを頼んでもいいですか?」
「まかせろ!」
マジさんは不確定な俺の案にも笑顔で乗ってくれた。これはありがたい。そして、やっぱりまぶしい(服が)。
「メエ?」
「Zzz……」
「起きろ!」
「ふぁっ!?」
反応がまったくないと思ったら寝ていたのか。何があったのかとキョロキョロしている。
「終わった?」
「まだだ。電話でラブとハルを呼んでくれ。」
「わかった!!」
これでいい。あとは、個人の働き次第だ。
次からはシリアス多目の予定。……予定。