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開明高校生徒会録  作者: ヒッキー
9、10月
106/172

9、10月-36 みんなが予想していたとおりの結果です

 「さて、忙しいな。」


 「そう思うならこんなところでのんびりしないで下さい!!」


 2日目、今日は昨日よりも頭から人が多かった(決して、昨日の客がデュラハンばっかりだったわけではない)。どうも、昨日の客が勝手に宣伝したのと、ユリが裏で何かやったらしい。


 「残念ながら、今は遊びに来ただけだ。俺がやらないといけないことはない。」


 「それでもして下さい。そして、俺の真似をしないで下さい、ハルさん。」


 「ありゃ、ハルちゃん的にあれは素晴らしいエールなんだけどな。」


 それ以前に、なぜハルさんがここにいる?おそらくユリが原因なんだろうけど。


 「はい、ケーキ!!」


 「はいよ。」


 ハルさんの相手をしてる暇もほとんどないわけで、俺はすぐにフロアにでた。


 「お待たせいたしました、お嬢様。」


 それにしても人が多い。今日は1時まで交代できないというのに。しかし、予定では今日の仕事はこれでおしまいのはずだから、とにかくやりきるしかない。

 

 「きゃっ!!」


 突然、ラブの短い悲鳴が聞こえた。


 「や、やめて下さい……」


 「いいだろ〜。」


 ……なんか柄のおかしな服を着た客がいる。なんだあれ?ピカソ気分か?


 「すみません、お客様。」


 「あ?なんだよ?」


 「その服は勘弁してもらいませんか。笑うのをこらえるだけで結構きついです。」


 「な!?」


 俺の言葉で笑い声がだんだんと広がっていった。やっぱり、みんなが笑いをこらえていたか。

 

 「黙れよ、エセ執事。」


 後ろをチラッと見ると今度はシュールな服を着たやつがいた。手には店で使っているイス。


 バシッ!


 「へ?」


 「イスはやめてくれ、シュール野郎。今から調達するのは面倒だ。」


 そのままイスを奪ってあったであろう場所に置いた。


 「あと……」


 メキッ!


 「ぐふぉっ!!」


 「ラブにいつまで触ってるつもりだ。」


 さすがにイライラする。


 「てめえ……」


 「ゼロ〜!木刀いる〜!?」


 奥から気の抜けた声。ハルさんだ。


 「いりません。」


 メキッ!バキッ!ポーイ!ヒュー…メキッ!


 「でしょ。」


 「いや、あの人たちひもなしバンジーになっちゃいましたよ!?」


 「大丈夫だよ。どこかには落とされて崖に当たりながらも死なない人間もいるわけだしね。」


 「いや、それはあの人だけですよね!?」


 「落ち着け。下には木もあるし、2階から落ちたくらいじゃどうってことないはずだ。」


 「いや、いろいろと問題がないですか?」


 「それよりもやることがあるだろ。」


 「え?」


 俺は教室の中を向いた。


 「このようなことになって申し訳ございません。しかし、(わたくし)たちはどんなことがあろうともお坊ちゃま、お嬢様がたをお守りいたします。なのでご安心ください。」


 なんか予想外のこと言われたみたいな表情だが、この誠意がマイナスになることはないはずだ。


 そのまま俺は奥に入った。


 「お疲れさま、かな?」


 いつのまにかユリも来ていて藤原姉妹がそろっていた。


 「あれくらい、疲れもしないさ。それより、ユリは校内を見て回ってたんだよな?」


 「そうだよ。」


 「ここ以外で小競り合いみたいなことは起きてなかったか?」


 「ん?起きてなかったよ。平和も平和。周りの話でもここで起きたけどかっこいい執事がすぐに解決しちゃったってぐらい。」


 「そうか……」


 「あれ?かっこいいって部分は突っ込まないの?」


 ……今考えたところで意味はないか

 

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