9、10月−33 おいおい、やっちまうのかい?
「ううう……なんでこんなことに……」
ここは俺らのクラスの裏舞台。そして、目の前にはメイド服に着替えた桜田さん。他のメンバーは後回しにされたので、今着替えている。
「私の目に狂いはなかった。これぞ奇跡!!」
なぜ桜田さんなのか。それは桜田さんの装備品が猫耳(呪)だからである。
ここまでの流れでわかったと思うが、ユリの決めた罰ゲームは『各チームで指名された2人がうちのクラスで2時間働く』というものだった。指名されたメンバーは特に用事がなく、手伝わされることとなった。
「猫耳メイドなんて拷問でしょ!?」
「軍曹さんはいいじゃないですか。自分が答えられなかったからの結果なんですから。私なんて軍曹さんに巻き込まれたんですよ。」
桜田さんは予備のメイド服で間に合ったがさすがに乍乃さんに合うのはなかったのだが、新しい服を衣装班が超スピード(所要時間、約5分)で仕立てた。
……こいつらが全員で本気になれば甲子園も夢じゃない気がする。いや、むしろ日本代表か。
「私だって恥ずかしいんですよ。」
しかし、桜田さんはもともとがいいからすごいかわいく、乍乃さんもおとなしい雰囲気はかなりいい。決して恥じるような見た目じゃないはずだ。
「ちょっと待て!!なんで俺はメイド服なんだ!?」
そこにいたのは女顔負けの美貌を放っている男が、男がいた。
「さすが二つ名が女装なだけあるな。」
「あれは二つ名じゃねえ!!」
「似合っているからいいだろ。」
そして、もう1人はイケメンの執事、南雲 劉斗だ。監督だから本当は参加しなくてもいいのだが、男要素が足りないということでユリが頼んだ。
「そしてこいつらが接客する最初の相手があいつらってわけか。」
「そういうこと。」
ユリが抜かりなかったのは勝ったチームにも賞品を作ったことだ。それは『このメンバーが入った最初の客になる権利。しかも、本当はない指名権つき』というものだった。あれだけのことをやってこれだけか、っていう意見もあるかもしれないが、ないよりはましだろ。
「さて、入ってきていいよ!」
ぞろぞろとあの6人が入ってきた。ちょうど1人1テーブルである。
「欲しいケーキと飲み物を一品ずつ。それと誰についてほしいか言ってね。もちろん、ケーキと飲み物はおごりだよ。」
その後、榊が注文した。その時の指名は乍乃さんだった。
「なんで私を選んでくれたんですか?」
「なんとなく……いじめやすそうだったから。」
「助けて下さい、軍曹さん!!」
「これって引っ張っても取れないし痛いし……どうにかデスペルの薬を……」
どうやら桜田さんはそれどころじゃないらしい。無茶をしそうになったら俺が止めることにしよう。
「じゃあ俺は桜田ちゃんにお願いしようかな。」
そう言ったのは斑目先輩だった。
「ゴシメイアリガトウゴザイマス!」
「笑顔でお願いするよ。」
「なんで私なんでございましょうか?」
「おもしろそうだから。」
ピキピキ
なんか一触即発ムードだけど、あれもなんかあったら止めるぐらいでいいや。
「私はそこの女装くん。」
「女装じゃねえ!!」
宮野さんは六道さんを選択した。なんか写真撮らせてとか言ってるけど、ほっといても大丈夫だろ。最悪トラウマが生まれる程度で済むだろう。
「私は誰もいなければそれでいい。」
「マジさんは何をしに来たんですか?」
「私は(隠し)カメラマンだからな。」
「はぁ?」
よくわからないがマジさんなりの使命があるのだろう。
「……渾身のボケだと思ったんだがな。」
何かマジさんが言ったが、今はいいだろう。
「最後はお前ら2人だな。」
残ったのはメエとラブ。ラブは必死に考えているみたいだが、メエはただのんびりとくつろいでいる。
「メエは決まってるのか?」
「うん。」
「だったらさっさと言え。」
「うーん……」
なんか歯切れが悪い。メエは俺の知ってる人間の中で一番わかりやすく、わかりにくい。一体、何を考えているのやら。
「やっぱり会長はトリを務めるべきだよね。」
「……私は桜田さんにします。」
ラブはじっくりと悩んで選んだ。
「ついにメエだぞ。」
「ボクはね、ゼロがいい!!」