4月ー9 こんなもの
「例えば、校長ははげ。」
「そんなのみんな知ってるよ。」
「校門の白桜の下で告白すると花開くか真っ白になる。」
「ダメージがでかいですね。」
「でも女の子の憧れです。」
どうやらこの情報はラブのものらしい。
「会長はチビでバカ。」
「そんなこと言ったのは誰なの!?」
「たぶん学校の生徒の大半だろうな。」
「うぅ……」
またメエが端でメソメソしだしてしまった。かわいそうに。でも、ほっとく。
「他には脱サラ教師がいるとか校長がキャバクラに通ってるとか、そんなんばかりだな。」
マジさんからプリントを受け取った。
マジさんの言ったことはまだ使えそうなものばかりで、ほかはもっと使えないか確実に嘘
の情報だけだ。
「もうちょっとマシなのは……」
「それで全部だ。」
「ですよね。」
ということでまともな情報なし。でも、斑目先輩がどうやって予算を引き出したのかなんとなくだがわかった気がする。
「すみません、マジさん。」
ひそひそとマジさんに言った。
「どうした?」
マジさんも察してくれたのかひそひそと話してくれた。
「調べておいてほしいことがあるんです。」
「なんだ?」
「それは……」
やっておいてほしいことを伝えた。
「わかった。善処しよう。」
「お願いします。」
「ねぇねぇ、副会長2人は何話してるの?」
メエが間に入ってきた。
「バカ会長には関係ない話だよ。それよりも心の傷はもういいのか?」
「過去をふりかえるなんてボクには似合わないもん。」
「バカはバカらしく元気でいろ。」
「なんかバカに……」
「今日はもうおしまい。それでいいだろ?」
「……そうだね!つまらないことはおしまい!さあ、帰ろう!」
メエは元気よく言った。みんなはさっさと帰りじたくをするかと思ったら誰もしなかった。
「あれ?みんな帰らないの?」
「いやー、どうせ帰ったて暇だしさ。せっかくだし雑談でもしようかと思いまして。」
ハルさんは笑いながら言った。メエもそれに答えるように笑い、マジさんは軽くため息をついて席に座り、ラブも笑顔になった。榊はこっちを見て少し微笑むとまた手元の本に視線を落とした。クールでなじめないかもしれないと思ったが、けっこうここが気にいってくれたのかもな。そして俺はというと、もう一度自分の席に座った。
「さてさて、雑談のテーマは近頃のアニメについてー!!」
ハルさんのテーマ発表。また不思議な雑談テーマだ。そもそも雑談とは適当に話すはずなのだが。
「最近のアニメはおもしろいものとつまらないものの差が激しい!たとえば……」
ハルさんによる近頃のアニメについての好評が始まった。当分すみそうにないしほうっておこう。
俺はかばんに入れた書類を引っ張り出して仕事をすることにした。まったく、暇のない生徒会だ。でも、そんな状況を楽しんでいる自分がいる。不思議なものだ。
どうも、休みを常に待つ、作者のヒッキーです。
危機感という言葉はないのか?でも、少し進んだか?