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不死の魔人と閻魔姫  作者: 渡邊裕多郎
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第八章 魔人同士の対決・その1

       1




 翌日。


「うーすヒロキ」


「ウッス。おまえの言う通り、今日は朝から一緒に登校したぞ」


 ヒロキくんが学校に顔をだすと、元気そうなクルクルパーズが声をかけてきた。ヒロキくんがほっとする。その隣には、いつものようにユウキちゃんが立っていた。いつもと同じで、校門前でカチ会ったらしい。


「ヒロキくん、クルクルパーズさんたちにも言ってたの? 危険だから、一緒に行動しておけって」


「まァな。ユウキも元気で何よりだったぜ」


「そりゃ、私は元気だけど。でも、何かあったの?」


「気にしなくていい。今日か明日には片がつくと思うから。そうしたら、こんな変テコなことにはならんから安心してくれ」


「ふゥん? なんだかわからないけど、まずいことになってるんなら、警察に行けばいいんじゃないかしら?」


「それが、そうもいかなくてな。ゾンビ関係の超常現象がからんでるもんで」


「――ゾンビって、何を言ってるの?」


 ユウキちゃんが声をかけた。さすがにボケじゃなくて心配そうな調子である。完全に電波な内容なんだからあたりまえであった。


「あ、ユウキは気にしなくていい。それから――島崎もきてるか。今日のところは無問題ってことでいいらしいな」


 教室にいる晶ちゃんを見て、安心するヒロキくんであった。その晶ちゃんがヒロキくんを見て、おもしろそうに近づいてくる。


「おはようヒロキにユウキ。それで昨日、何がどうなったの?」


「べつに、何もなかったよ」


「またまたすっとボケて」


「あのね、晶ちゃん、本当に、何もなかったんだよ?」


「あ、そうなの? なんだつまんない」


 ユウキちゃんにも言われて、拍子抜けした晶ちゃんである。その横で津村と後藤が会話をはじめた。


「それで、ここにくるまでに話した件だけど、アケボノだって主張を引っ込める気はないわけか?」


「あたりまえだ。アカンベーのわけがないだろうが」


「アイドルってのは追っかけに愛想を振りまいてるようで、本当は心のなかで舌をだしてるもんなんだよ」


「だからって、名前の時点でファンを馬鹿にしてるとは思えねーよ」


「すると、例のごとく、今日もやるわけか?」


「そうなるな」


「おい。今日はどういうお題なんだよ?」


 ヒロキくんが口をはさんだ。険悪な顔をしていたクルクルパーズが顔をむける。


「「AKB48のAKBは、アカンベーが由来かアケボノが由来か? で、ちょっとな」」


「あれはプロデューサーがアクビしながら考えた企画だからAKBだって聞いてるぞ」


 そんなわけがない。アキバである。


「ま、いいや。今日も張り切ってやってくれ」


 相手するのが面倒くさくなったらしく、軽く手を振ってヒロキくんがクルクルパーズから背をむけた。カバンを机に置いて、窓まで歩く。


 窓の外からは、隣に立つ小学校が見えていた。もちろん、クラスまで見えるわけではない。それでもヒロキくんが目を凝らす。


「騒動が起こった気配はないから、大丈夫だと思っていいな。さ、授業だ授業」


「テンメー! 今日という今日はもう勘弁ならねー!!」


「それはこっちの台詞じゃボケー!!」


 相変わらず、ドシンバタンと取っ組み合いをはじめたクルクルパーズと、おもしろそうに見物する晶ちゃん、ガン無視して席に着くヒロキくんと、それを少し熱い目でながめるユウキちゃんである。本日も、少なくても上辺だけは、普段と同じ一日がはじまったのであった。

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