近くて遠い
窓が開けた思念の空
取り囲む世間は平坦に堕ちる
安直で貧相なフレーズに
魅せられた僕の不安は的中
低く地を這うジェットエンジン
誰も連れ去れずに掻き消される轟音
気付けば静けさに襲われた
あの日の君と僕はもういない
ずっと呼んでいるような
探している声は何処から
君は僕を見つけられるのだろうか
僕は君を見つけられるのだろうか
窓が開けた思念の空で
確かにまだ「また会おう」と聞こえる
この広い世界で
出会うはずもない者同士
神様は互いの存在を認識させて
僕らはまだ当分
その意図を知らない