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第七章 第二話
とある晴れている日、川の岸に立っている二人。近くには水に石を投げている子供らがいる。
一矢は私に問うた。とても心配そうな顔つきである。
「この時機に、はたして浪岡を離れるのは適切でしょうか。」
合一の軋み、油川湊の演習。裏にいるだろう南部。……私は答えた。
「顕氏様は、顕光様を当分の間、御所代理にすると申しておる。」
「しかし、顕光様では不安すぎます。」
口を慎め。仮にも新御所の弟君だぞ。……言いたいことはわかる。それに顕光の元に出入りしている怪しい奴。
「その間、多田殿もいない。我ら補佐氏が、お前が管領代理として北奥をまもるのだ。使命は重大だ、一矢。」
私は一矢の肩をたたいた。一矢は苦笑いをするしかない。




