第四章 第四話
大釈迦の奥寺邸は、こぢんまりとした作りだ。堀もなく塀もない。さくらはやっとの思いで山を下り、彼の屋敷へ逃げ込んだ。
奥寺は驚いた様子だったが追い返すわけにもいかず、すぐさま引き入れた。しかし全ては一矢達が把握するにいたる。その報告はさっそく次の日に多田と私の元へ届けられた。引き続き、一矢達は大釈迦の屋敷を監視することにしたのだった。
すると……衝撃的な事実がわかったのだ。
数日経った後、一矢は顔を引きつりながら私にこう伝えたのだ。
「真央君は……大釈迦にいます。」
「なんと。それは本当か。」
驚きは度を越した。
「はい。屋敷より少し離れたあばら屋で、真央様と侍女のさくらが一緒にいるところを、この目で見ました。」
「とりあえず……生きていると言うことだな。」
一息おく。少しばかりか光明が見えた気がする。
さて……では、何が為に真央は奥寺の元にいるのか。詳しいところはまだだが、これで奥寺が関わっていたことは確かだ。
一矢は問う。
「兵をお出しになりまするか。」
「……いや、そうなれば大事になる。私がいく。」
「では、私がお供に。」
「いや……いい。一人で十分だ。」
私はすぐに大釈迦へ向かった。馬ならすぐであるし、なによりもこの目で確かめねばなるまい。




