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浪岡哀劇  作者: かんから
疑念と哀しみ
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第二章 第四話

 夕方、私は川原の屋敷跡へ行った。すこし小高い丘に、一本の大きな木が生えている場所だ。そこへいけば何かがわかるという訳ではない。だが、“怨恨”という言葉でこの場所を思い出したのだ。昔の哀しい事件を。

 かつて、ここには御所号の従兄弟いとこが住んでいた。罪を着せられて攻め滅ぼされた。当時は戦乱の世、致し方ないことだがなんともやるせない。





 今でも、魂がでるという。川原の亡霊が。

 



 尽きぬことない苦しみ……無念であった。





 原っぱの真ん中に植えられている大銀杏。冬も一人で、寂しく生きている。


 隣に立つのは五輪塔ごりんとう。かつて御所号は鎮魂のために誓った。





 “二度と、同じ過ちはいたしませぬ”と。



 さぞ、哀しかろう。川原の残せた命も、いまや行方知らずなのだから。



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