過去 1
「んっ…んっ/////」 「優希ch…んっ/////」
私たちは時間の許される限りずっとキスをしていた。ずっと、ずっと。
離れたくないと握り合う手、舌を入れて、瞳を伏せて…まるで互いが互いの傷をなめ合うかのように、ずっとキスをしていた。喘ぎ声が部屋の中を、私たちを、いっぱいにする。日が沈むまで…。
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過去 桜said
幼いころ、近所の子…幼馴染ってやつにいじめられ、弱く内気な性格だった私。
ー「出席番号36 山内 桜!」 「…はい。」
そんな私も早いもので、中学生。そこそこ楽しかった小学校はあっという間、3年間はもっと早く過ぎて行くんだろうな…
きっと、楽しい中学校生活が、送れるはず…なんて…
私の期待とは裏腹、3年間はとても長くて辛くてつまらなくて…
内気な私は友達に言いたいことがいつも言えなくて、本音を言ったことがなかった。
そのせいか、それとも他に原因があるのか、
「桜ちゃんってなに考えてんのかわからないよね〜」 「一緒にいてもつまんなくない?」
なんて、陰口を叩かれていたそう。 別にこれくらいは良かった。陰口くらい、誰にでも経験あるでしょう?言ってる本人もきっとある。 私は、中学生になってもいじめをうけた、理由はなんなのか?そんなの、知らない。
いじめをする人に理由なんてあるのか…それすらもわからない…でも私の想い描いていた中学校生活は脆く崩れた。
過去 優希said
生まれた頃から私は細めの体型だと、両親は言っていた。でも限度があるだろう。
ー「出席番号29番 村田優希」 「はい」
人見知りが激しく、コミュニケーション障害がこの頃激しかった私、人と関わるのは勿論男子は特に毛嫌いしていた。
中学2年生に上がり、新しいクラスになってしまい、少々いた友達も離れて1人になった。振り出しだ。 話しかけられないと友達なんて…「村田さん…だよね? 良かったらお話しない?」 「えっあっはい!」
できないんだからね…?
その子はまちかちゃんという子で、趣味も合う、気さくでいい子だ。私にも話しかけてくれて、アニメの話も、なんだってした。 楽しいと思えた、学校が。
中2の夏だった…
「私はまだ好きな人とかいないなぁ…優希ちゃんはいるの?」
「3組の小谷くん…いい人なんだ…」
「小谷くんかぁ話、したことないなぁ…」
なんて、いかにも女の子らしい話を友達として、楽しい日々を送った、ここに小谷くんが加わったら、なんて…
「がんばってね!まちか、応援してるよ!」
このクラスで良かったと心から思えた。