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目覚まし時計

 大須での冒険が終わり数日後……




 私は、世の中の知られざる部分を新たに知った。

 しかし、それで大きく変わるほど日常と言うものは曖昧なものでは無かった。



 聖剣に自分の力を一気に引き出された後の反動なのか、はたまた大須の探索で結構動いたせいか、私の生活リズムはグダグダになり、睡眠時間も増え、やる気も起こらず、また今まで通りの引きこもり状態に戻っていた。ジル=ド=レイとは一度事情を話すために会ったが、それ以降はまく朗にも比部にも、家族以外誰にも会っていない。しかも、ブログの更新まで今はお休み状態だ。



 そして、今日も布団の中からこうして出ることができないまま今に至る。

 


 いくら寝ても、眠い。眠すぎる。

 なぜにこんなに眠いのだろうかと思う。やはり、現実の過酷さから逃避したいという部分が無意識のうちに体に催眠的な指示出しているのかもしれない。しかし、こうしていつまでも寝ていても特にはならない。何か気持ちよく起きられる方法は無いだろうか? 心が通わず電池も切れてしまった目覚まし時計に代わるもの――――そうだ、その手があった!



 私は寝ながら、右手だけ布団の中から右手を出す。

 そして、少年に教えてもらったキーワードを寝ぼけ声で言った。



 「……目覚めろ、フラガラック……」



 すると、フラガラックはどこからともなくパッと現れ、私の寝ている布団の上に落ちた。

 私の体にずしりと、重圧がのしかかる。



 「ちょっと、ジャンヌ! あんた、よくも私を放置プレイしたわね! 」



 初めて手にしたあの時以来、フラガラックはずっと隠したままにしていた。

 理由は、ツンでおしゃべりでうるさいからだ。どういう仕組みかわからないが、少年の教えてくれた、他の次元にこの剣を収納する機能がなければ、確実に今頃は色んな意味でめんどくさい事に名ていただろう。守護神だった、あの名前の覚えにくい少年には感謝するしかあるまい。



 「ねえ、聞いてるの!? 聞いてるんならさっさと、起きなさいよ! いつまで、そんなだらしない格好してるわけ?」



 喋る剣が出たとたんにがつがつ喋るので、私もさすがに眠りの世界に再び向かうことはできなかった。私は、しょうがなく、聖剣と布団をどけて、上半身を起こす。


 

 「……ああ、おはよう」


 「おはようじゃないわよ! 明らかにもう昼に近くなってるでしょ!」


 「ほう、時間がわかるのか?」


 「勿論よ! 私の力を甘く見てるでしょ!? 私はこれでもペラペラ……」


 「……眠れ、フラガラック……」



 少年から教わった、もう一つのキーワードで聖剣はシュッとまたその場から消失した。

 そして、再び静かになった部屋で、やっと私は立ち上がり、ぐーんと大きく背伸びをする。

 





 私は、聖剣フラガラックを手に入れた。

 しかし、今のところの使い道は、目覚まし時計の代わりになるという事のみであった。 



 <END>

 



 







 読んでくださり、本当にありがとうございました!

 残りはあとがきとちょっとしたおまけとなります~


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