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第三章外伝②:フラガラックの新機能

 ジャンヌは、あることに気付いて元守護神の少年に尋ねる。




 「一つ、聞きたいことがある」


 「何だい? ジャンヌ」少年は何でもどうぞと言う余裕の表情を浮かべた。


 「こうしてフラガラックを手にしたのはいいんだが、これをそのまま元の世界にに持っていくと問題があるんだよな。何せ、昔と違って今の日本には銃刀法と言うものがある。こんな物を脇に携えて歩いていたら警察が黙っていないだろう。下手をすれば罰せられて没収されてしまう可能性もある」


 「ああ、そうだったね! 大丈夫だよ、そんなこともあろうかと新しい機能を付けておいたから」


 「新しい機能?」


 「そうさ。名付けて<次元収納>! フラガラックを別次元に隠して誰の手にも渡らなくできるんだ。……どう、便利だと思わない?」


 「それは、すごいな」まるで22世紀青い猫型ロボットに匹敵する技術水準に少々感心した。

 「それで、早速聞くが、どうすればフラガラック出し入れができるんだ」

 

 「2つのキーワードを言えば自在に収納と引出ができるよ! ちなみに、最初は手にした人に決めてもらおうと思ってたけど、、変なキーワードにしたりして後々問題が起こるといけないと思ったから僕があらかじめ設定しておいたよ」


 「そうか」



 確かに、私が単細胞な人間だったら「フラガラックのバカ」とか「フラガラックのプライバシー侵害野郎」とか「変態」をキーワードにしてしまうかもしれない。



 「じゃあ、その、キーワードを教えてあげるね! まず、収納するときは<眠りにつけ、フラガラック>。そして、出す時が<目覚めろ、フラガラック>だ。勿論、所持者の君の声にしか反応しない。……じゃあ、一度やってみてよ」


 「ああ……眠りにつけ、フラガラック!」



 パッ

 そんな音はしなかったが、フラガラックは一瞬にして私の手から消えた。



 「なるほど……では……目覚めろ、フラガラック」



 パッ

 そんな音はしなかったが、フラガラックは再び私の右手に現れたので、サッとそれを握った。


 

 「もう! いきなり何するのよ!? びっくりするじゃないの!」フラガラックはなぜか怒っている。


 「うん? これは、もしかして……」


 「そうさ」少年は笑う。

 「この機能は、フラガラックの意志は関係していない。だから、彼女に了承を得なくても君が好きな時に入れたり出したりできるわけさ」


 「ほお、なるほど……」私は、手にある聖剣の方を見る。


 「な、何よ? 私の刃先に何かついているのかしら? ジャンヌこそ、口の端っこに歯磨き粉がついてるんですけど~あんた、ちゃんと歯を磨いた後は口の周りを鏡で見た方がいいわよ? ほんとにあんたって子は昔から……」


 「……眠りにつけ、フラガラック」




 パッ



 ……


 ……


 …… 



 その後数日間、私はフラガラックを手元に出すことは一切しなかった。

 勝手に好き放題言ってくれた事に対する「ちょっとした」おしおきである。

 








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