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物の怪出現!?

 いよいよ大須大迷宮の探索に挑む!

 果たして、待ち受けるものは何なのか!?



 まく朗の持っている地図を頼りに、道を進む。

 地図には様々な表記があるが×印が売ってあるところに罠があるようだ。そしてその×印は非常に多く、道もさすが地下迷宮と言うだけあって複雑だ。この地図がなければおそらく攻略は困難だし、帰るのも困難を極めるだろう。


 ゴール地点らしき場所には「先」と言う字が書いてある。

 この地図にも書いていない先の部分があるのだろうか? だとすると、そこからが本番かもしれない。



 「そろそろ、モンスター出ませんかね? ジャンヌ様」歩きながらまく朗が言う。

 

 「ああ。でも、正直出て来ない方がいいと思うぞ」


 「でも、一度は見てみたくありませんか? <むさぼりうさぎ>とか<トロサウルス>とか」


 「……また、微妙なモンスターの名前を出したな。実はな、正直に言うが、私は前世で少しだがモンスターを見たことがあるんだ」


 「えっ!? マジですか?」


 「私は悪い冗談を言えるたちではない。たとえばウェアウルフとか……」


 「みんな! 静かに!」


 私がモンスターの名前を挙げようとしたと時、少し先を歩いていた斉藤さんが声を出した。

 また何かに気付いたようである


 「どうしたんですか? 斉藤さん」まく朗が、まるで緊張感のない口ぶりで言う。


 「部屋の奥に何かがいるぞ!」


 「やや、モンスターですか!?」


 「わからない、とにかくその地図の正しい道のところに立っているんだ。動く様子はないから慎重に近づいてみようか」


 私たちは、恐る恐る斉藤さんが言うように突き当りを右に曲がってみる。

 すると、確かに奥に何かが立ち尽くしていた。本当に物の怪がいたのだろうか?



 距離を少しずつ縮めていくと、その全体像が明らかになっていった。

 全長は2mくらいあるだろうか? 白と黒のコントラストが鮮やかなそれは、まるでパンダだった。いや、何かがおかしいし顔がグロいけど間違いなくパンダだ。私たちに動じることもなくそのパンダは棒立ちを続けていた。


 

 「これは……」


 斉藤さんは、パンダに接近する。しかし、向こうは動く様子もない。

 私たちも近寄ってみる。それでも、動く様子はない。


 比部は警戒もせずに、パンダの肩のあたりを叩く。

 ゴンゴンと重い音が小さく周囲に響いた。



 「あはは、ただの石像だがや!」比部はからから笑う。


 「いえ、これは石像ではありませんよ」そしてまく朗が口をはさむ。


 「何?」


 「これはおそらく、コンクリートアートです!」


 「え、これってコンクリートなのきゃ?」


 「はい。今はもうお亡くなりになっていますが、このようなド派手なコンクリート像をたくさん作っていた昭和の芸術家さんがいたんですよ。この地方だと、関ヶ原ウォーランドや桃太郎神社に似たような造りのコンクリ像がいくつか置かれてますね~」


 「ほー、もしかしてその人に作ってもらったとか? まさかねぇ」


 「それはちょっとわかりません。けど、こんなものがこの迷宮の中に置かれてるなんてちょっと不思議ですね~」


 「不思議ちゃんに言われるのもなんだが、確かにな。汚れからしてそんなに古くなさそうだし、そんな昔にコンクリートなんて日本にはなかったはずだ。誰かが、そう遠くない昔にここに持ち込んだのかね? 考えられるのはおばぁだが、こんな趣味は無かったしなぁ」


 「くわ姉、罠である可能性もゼロではないっすよ!」斉藤さんが両手をグーにして言う。


 「むむ、しかし、ここに×印は無かったしな……」 


 「でも、なんか目が真っ赤だし……」



 確かに、パンダの目は真っ赤なペンキで塗られていた。

 危険な香りはする。しかし、ビームが出るような感じでもなかった。



 「ま、とりあえず先に行こうよ。ひょっとしたら物の怪が地球温暖化の影響で絶滅しちゃったからこういうのを置いてごまかしてるのかもしれんしね」


 「まさか~くわ姉も変な推測しますね!」


 「まあ、あんまり怖がらんこっちゃ」



 私たちはパンダ像を尻目に、道を進んだ。

 すると、その先にもコンクリ像が点々と立ち並んでいたのだった。



 ゴリラ、

 フクロウ、

 カエル、

 耳が円いネズミ、

 へろーきてぃっぽい白猫、


 などなど。

 どれも二本足で直立しており、体がいやに人間っぽくてマッチョで不気味だった。

 これを作った人間がいったいどんな輩で、どんな気持ちで作ったのかは知らないが、とりあえず芸術アートと言うものはよくわからないと感じた。

 

 置かれている意味もまったくと言っていいほど分からない。何かのスイッチなのか罠なのか知らないが、通り過ぎても、触っても一向に何も起こらなかった。ここまでわからないと逆に不安になってくる。


 しかし、私はどうであっても前進するのである。

 この先に何が待ち受けていようとも。






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