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第二章外伝②:FOXじいさんの武勇伝その2

 FOX(フミオ)老人の、過去に会った武勇伝。

 息子との関係について。

 「そういえば、フミオさん」


 「なんじゃ?」


 せんべいをかじるFOX老人に、織田(おりた)比部(くらべ)は聞いた。


 「フミオさんって、いつもあれだけギャンブルするのにお金は大丈夫なんか? 年金はほとんどもらえないって言うのに、家ではインターネットもバンバン繋いどるみたいやし、骨董品とか何かも良く買って来るし。息子さん家族とか文句言うんじゃにゃーの?」


 「ああ、それなら大丈夫じゃ。息子の太郎はワシには逆らえん」


 「ほー、凄い自信だがや。どこからその自信が湧いてくるんだか」


 「あの子はな、ワシに大きな恩があるんじゃ」


 「へー、なんだかまた面白い話が出てきそうだな~それ、詳しく聞かせてよ!」


 「いいじゃろ」


 FOX老人は飲んでいたお茶の湯飲みをトンとおろした。


 「あれはもう20年以上前の事じゃ。当時会社員だった息子は、真面目に働けばいいものを、ギャンブルと酒と女に溺れてのぉ。借金を沢山こしらえてしまったのじゃ。その上、ヤミ金業者にまで手を伸ばしてしまって、職場にも住んでたアパートにも居られなくなり、泣く泣くワシのところまに転がり込んできたんじゃ。あのボロボロの服と情けない面は今でも忘れん」


 「へー、それはまたナニワの金融漫画にでも出てきそうな話だな」


 「そんで、ワシのところにもヤミ金業者が何回か脅しにやって来たんじゃ。この家焼き払うぞー! とか内臓は高く売れるぞー! とか言ってきよった。けど、ワシは全部、追い返してやった! どんなコワモテが来ようとも立ち向かうのが<大須弁慶のフーちゃん>の異名を持つワシなのじゃ。法的に訴えるぞー! とか強気な姿勢を続けた甲斐もあって、ヤミ金業者は暫くするとぱったりと来んくなった。遂に音を上げたのじゃ」


 「おー、フミオさんカッコいいな! ……それで、その後はどうなったん?」


 「ヤミ金から借りていた分は何とかなったが、それでも借金はまだ結構残っていた。数百万円はあったな。それをワシは、息子に今後は親孝行に尽くすことを約束させて、すべてを建て替えてやったんじゃ」


 「え? でも、フミオさんってそんなお金あったの? 借金があるくらいだったんじゃ……」


 「この、大須を回って集めたんじゃ。みんな、いい人ばかりでなぁ。ワシが頭を下げると少しずつお金を工面してくださった。だから、ここに住んでおられる方々には、今でも頭が上がらん。勿論、ヨリちゃんも出してくれたんじゃよ。結構な額じゃったわい」


 「そっか、けち臭かったあのおばぁが……意外だがや」


 「皆のご厚意のおかげもあって、その後息子はちゃんと更生してくれてな。再就職した今の会社で、部長まで昇進することができた。給料も安定し、親孝行すると言う約束もちゃーんと守ってくれた……おかげでワシはこうして不自由のない暮らしを送ることが出来ておるわけじゃ。」


 「ふーん、そんな経緯があったんだな。フミオさんってホント色んな経験してるなぁ!」


 「そうじゃろそうじゃろ!」


 「ただ……息子がギャンブル好きだったのは、明らかにフミオさんの影響だろーな」


 「ふぉふぉふぉ! クーちゃんは相変わらず手厳しいのぉ」


 FOX老人は、喋った喉を潤すようにお茶をすする。

 2人の和やか(?)会話はこの後も続いた。





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