明日へとつなぐ紙きれ
ジャンヌ達は、遂に振我楽の眠る「大須地下迷宮」の入り口を開けた。
しかし、中には多くの罠があり、物の怪がいるかもしれないと言う。織部は、ひ弱なジャンヌ達に同行する事を承諾したが、もう少し協力者が必要だと言い、暫く考えた後、何かを思い付き、再びジャンヌ達を地上へと誘った。
プレハブ小屋につくと、織田さんはすぐに居間にあった引き出しの一番上を開けて何かを取り出し、机の上にバーンと置いた。
「これは……チケットですか?」
「そうだがや! お前らにこれをやるから、必ずコレに書かれた通りの日時に、書かれたとおりの場所に来い! 地下迷宮に入るのはそれからにしよう」
「ええと……」
2枚のチケットには英語で大きく「ガッツマニアックス」と書いてあった。
更に日時は4月28日、会場は名古屋サンマルチノ記念ホールと書いてある。
何かの劇かコンサートだろうか? 席は指定席らしくそれぞれS-101とS102と書いてあった。
「タダでくれるんですか! クーちゃんは太っ腹ですね~」まく朗がおだてる。
「あはは、そうだろ。ワシの心は海よりも広いんだがや! とにかく、ちゃんと来いよ。来ない事には始まらんからな」
「わかりました。ありがとうございます」
「うむ。しかし、これも何かの縁……ワシとおみゃーさんらとは今日からは他人じゃないから、これからは丁寧語なんて使うなよ! 友達みたいに気軽に話したらええがや。呼び方もクラベとかクーちゃんで良いぞ!」
「は……じゃなくて、わかった。ではクラベ、よろしく頼む」
「勿論じゃ、ワシに任せておけ! ……んじゃあ、今日はもう日が暮れてきたしこの辺でおひらきにしようか?」
「そうだな。長い間時間をとらせてすまなかった」
「なになに、どうせ暇してたから丁度良かったわ。おまけに、面白い事になってきたしのお! とにかくその日になったらまた会おうぞ! ジャンヌにまく朗!」
「ああ!」
その後、クラベは上前津駅まで見送りについて来てくれた。
まく朗が地下に降りるのを見送った後、私も彼女に別れを告げる。
夕日に照らされる巫女の長い髪は麗しい。それが春の風に軽やかになびいたのをその目にひととき焼き付けると、私は、鶴舞へと続く長い坂へと歩いて行った。
第二章はここまでで終わりです。
外伝を挟んで、最終章となる第三章がはじまります~




