扉よ開け
ジャンヌたちは、4コマ漫画で織田さんを笑わせることに成功した。
いよいよ、振我楽の在処への入口が開く……
織田さんに案内され、辿り着いたのは大須商店街の中にある「身代わり不動」と言うちょっと変わった神社だった。ゲームセンターが目の前にあって、商店の中に埋もれたような状態になっているのは珍しい。先日も、まく朗と散策した時に通りすがったが、まさかここに秘密があるとは思わなかった。
「正確には万松寺や。織田家の菩提寺で奥にはお墓があってな、毎月28日には餅が配られるんやで! ……あんたら、ここは参拝したこと無いんか?」
「はい、初めてです」
「そうか~大須に来たらここでお参りしたほうがいいぞ。パチンコとかやるんだったら特になー」
「……」
FOXもそうだが、そういう目的で利用するのはどうかと思う。
しかし、「身代わり」という言葉には、何か惹かれるものがある。もしもの時に、自分の命を守ってくれそうな感じだ。今回の探索を無事に終えられるようにと願うのだったら、ここを利用するのも間違いではないだろう。
「んじゃあ、これから秘密の入口の開け方を説明する。よぉく聞けよ!」
「はい」
「んにゃ……まず、正面に賽銭箱があるじゃろ? あそこに500円玉2枚、50円玉1枚5円玉2枚を一気に入れるんだがや。そして次に、本殿……つまり賽銭箱の前に立って一礼した後ぶら下がる銅鑼を2回鳴らす。それが終わったら、最後にパンパンパンと3回柏手を打つ。これで扉が開くはずやで!」
「わかりました……それで、そのお賽銭は自分で払うんですか?」
「そうに決まっとるがや! 入場料と思って入れるが良い」
「はぁ……」
まく朗にはさっき4コマ描いて貰ったし、ここは自分で出すしかない。1060円もあったら安い中古ゲームソフトが買えるなと思いつつ、財布の小銭を取り出す。私の物を買う時のお金の払い方が適当なのが幸いし、言われたとおりの硬貨が揃ってた。
私は、早速それを賽銭箱に入れ、言われたとおりの動作をする。一礼し、銅鑼を取り付けられたしめ縄みたいなものを揺らして2回叩いた。あまり威力がないため音は鈍かった。そして最後に、大きめに両手をパンパンパンと3回合わせる。すると……
ゴゴゴゴ
震度3くらいの地震の時のような鈍い音が聞こえた。
どういう仕組みなのかさっぱりわからないが、何かが起こったようである。
「よっしゃ、どうやら成功のようだな! それじゃあ、また神社に戻るぞ!」
織田さんは、楽しそうに言うとさっと後ろを振り返り、元来た道を歩き出した。
私達はそんな彼女の後をただ、促されるままに連いて行くのだった。
万松寺は萬松寺とも読むみたいですね~




