まく朗先生の4コマ
織田比部を笑わせる4コマを描くために、特殊漫画喫茶へ赴いたジャンヌ達。同人誌を描いた経験のあるぱくりまく朗に全てを任せ、自分は漫画を読んで時間をつぶした。
1時間30分程の時間をかけてついに完成した4コマ漫画。
果たしてその内容は? 織田さんを笑わせる事は可能なのか?
「おー、やっと出来たか!」
「はい!」まく朗は織田さんに漫画の入った封筒をさっと渡す。
「よしよし、では中に入って茶でもすすりながら拝見させてもらおうかな?」
再びプレハブ小屋の中の居間に案内され、食卓を囲むようにして座る。
真ん中にはおせんべいが置かれた。
「さーて、どういうネタをもってきたかのお? 楽しみだがや!」
「わたしがトイレを我慢して作った渾身の一作です。きっと、面白いはずですよ~」
「ほー。別に、トイレは我慢せんでもいいやろに……んじゃ、お披露目やで!」
そう言って、織田さんは封筒から漫画の描かれた原稿用紙を取り出すと、おせんべいの置いてあったところに置いた。おせんべいは端っこに除けられて、いくつか食卓の下に落ちた。まく朗が描いた4コマとはどんなものなのか? 私はどきどきしながら、織田さんと一緒に原稿用紙に顔を近づける。
「……これは!?」
流石だ。やっぱりまく朗はまく朗だった。
粗い絵で描かれたおしりがおしゃべりして、最後に一発放つとか、もう意味不明としか言いようがない。 これを、勝負漫画にしようと思ったのも理解の範疇を超えている。とりあえず、正直なところ、これで織田さんが笑うとは思えないんだが。
「……ぶぷッ!? くくくくく!」
あれ? もしかして、まさか……
「やるなぁ! まさか、これほどのものが来るとは思わなかったがや! よしよし、この試練は合格としてやろう」
意外だ。この内容であっさり笑いをとれるとは意外すぎる。
それとも、私がこの漫画のすごさを理解していないだけなんだろうか?
まく朗の漫画恐るべしと言うべきか、織田さんが笑い上戸と言うべきか。
「それじゃあ……」
「ああ、<振我楽>の眠る<大須大迷宮>へ入る権利を与えよう!」
「おおす、だいめいきゅう?」
「そうじゃ。ご先祖様が作ったかどうかははっきりせんが、<振我楽>のところまでは長い迷路になってるんだがや。大須の地下に張り巡らされた巨大な迷宮ってなかなかロマンのある話やろ?」
「……もしかして、罠とかあったりするんですか」
「ぎくっ」織田さんはわかりやすい擬音を放った。
「まあな……とりあえず、まず入口の扉を開ける事から始めんとな」
「え、普通に開かないんですか?」
「ああ、大事な宝物庫じゃから簡単には入れんようにしてある。多分、普通に見ただけじゃどこに入口があるかわからんと思うよ」
「それじゃあ……」
「ジャンヌ殿、これから<身代わり不動>に行くぞ! そこに入口を開く鍵があるがや」
私たちは、お茶を飲み終えると、さっさとプレハブ小屋を出た。
ちなみに、まく朗が描いた4コマ漫画のその後だが、織田さんがお茶をこぼして大きなシミが出来てしまったため残念ながらゴミ箱行きとなった……




