試練
魔刀振我楽の眠る場所へ足を踏み込むには、織田 比部の許可が必要だ。
彼女は、許可を出すためにジャンヌ達を試す。
「ジャンヌ様と……もう一人は何て名前だ?」
「ええと、か……じゃなくて、ぱくりまく朗です!」
「ああ、明らかに本名じゃないね。まあ、いいや! ……んじゃあ、ジャンヌ様にまく朗よ、お前らのどっちでもいいから4コマ漫画を描いてこい!」
「え……4コマ?」
「そうだがや! そんで、その漫画でワシを笑わせる事が出来たら、秘密の入口に入る権利をくれてやろう」
4コマ漫画か……これまた、意外な試練を出してきたものだ。
ライオンと戦ってこいとか、断崖絶壁を登って山頂にある綺麗な花を摘んでこいとか過酷なものじゃなくて良かったと思う。
しかし、私は残念ながら絵を描くのはあまり得意ではない。たまに漫画のキャラの絵を描く事があるが、黒歴史そのものである。おまけに、私自身あまり面白みのある人物ではないので面白い内容を描く自身も無い。つまり、漫画を描くスキルは全くないのだ。だが、幸いにも私のそばには、まく朗がいる! 同人誌を描いたこともあるまく朗ならば何とか出来るかもしれない!
「ジャンヌ様、この仕事、私に任せてください~」本人もその気のようだ。
「ああ、頼むぞ。……それで織田さん、紙や鉛筆はどうしたらいいですか?」
「ああ、それならいいところがあるで!」
織田さんに案内され、私達は商店街の中にある漫画喫茶「ももれび」に向かった。
入口には、誰かの書いたイラストがたくさん貼られていて普通の漫画喫茶では無い事を伺わせる。
「どうや? 大須でも知る人ぞ知るって感じやろ」
「そうですね……でも、こんなところで本当に描けるんですか?」
「ああ、入ってみりゃあばわかるよ。……んじゃ、私は神社にもどるからな! 面白い4コマ待ってるでー」
裾と長い髪をなびかせて、織田さんは元来た道を戻って行った。
私達は、目の前にある階段をゆっくりと登る。




