9.神の御業
<<龍一Side>>
なんで中世ヨーロッパな街並みなんだろう?
まぁ確かにここは『ウィリアムランド』なんて名前だけど。
人の名前とか日本っぽいのになんでさ?
神楽の趣味…かな?まぁいいや。
恋に連れられて来たのは…恋の家?町からはだいぶ離れてるんだな~。
会ったばかりなのに…とか妄想してる間に恋が着替えてきました。
え?なんで着替えちゃうの!?
さっきまであんなにスケスケでも気にして無かったじゃん!
俺の目の保養はどこですればいいのさ?
てか何で鎧?戦場とかには行きたくないよ!?
席に着いて何かしゃべり始めたけど何言ってるかなんて頭に入らない。
そう、俺はさっきまでの恋を必死に記憶することでいっぱいいっぱいなのだ!
「グ~~…」
え?何の音?恋がおなか抑えてる。顔赤い。ん?恋のお腹の音か~。
って今『眼』で見たら満腹度0%で体力ガリガリ削られてんじゃん!
そーいや儀式の前から飲まず食わずだったとか言ってたじゃん!気付けよ俺!
龍一「恋。とりあえずこれで腹を満たしてくれ。」
そう言って神の業発動。『おおきなパン』を召喚!
って、おいーーーーーーー!!
どこのトルネコだよ!?パンだけってかわいそうじゃん!
あー恋泣き出しちゃったよー…
そうだよね。神の業使ってパン一個じゃねぇ…。とマジへこみ…。
龍一「ごめ…「ありがとうございます!」…ん?」
え?あぁ…パンに齧り付いた!?
うぉっ!?目をキラキラさせてる…?
恋「こんなおいしいもの食べたこと無いです!」
うん。もういいや。『眼』で見たら満腹度グングン回復しているし。
空腹が最高のスパイスだって誰かも言ってたしね。
あ、でもスープくらいは出してやろう。
<<恋Side>>
本来、あの召喚の儀で命を落とすはずだった私。
町の人に私が生きている事が知れれば儀式が失敗したと思われてしまう。
そんな私の不安を知ってか龍一殿の優しげな目が私に向けられる。
その目が大丈夫…と言ってくれてる様な気がして嬉しくなる。
山道の途中、龍一殿は町を見渡して思案されている。
町全体に漂う空気に違和感でも感じたのだろうか?
その後も龍一殿は辺りを警戒してくれている。
前を歩く私の背に強い意志が込められた視線が痛いほどに突き刺さる。
これ程の御方を送って下さった神に改めて感謝しつつ私の家へ案内する。
家にある最高級品の防具に身を包み、旅支度を済ませ龍一殿と席に着く。
恋「早速ですが、本来召喚の儀は神の御力を私が借りるためのもの。
なのに代行者である龍一殿が召喚された。
…それほどまでにこの世界はまずいのでしょうか?」
龍一「あぁ…」
恋「そうですか…。(やはり深刻なのか…)
私も微力ながら龍一殿のお力になりたいのですが、
世界を救う旅に連れてっては貰えないでしょうか?」
龍一「あぁ…」
恋「ありがとうございます!足手まといにならぬ様頑張ります!」
龍一「あぁ…」
恋(……っ!?高密度の法力が更に集中されていく!?
龍一殿!何をなさるおつもりですか!?)
龍一の法力に圧倒されて声も出せなくなってしまう。
極度の緊張の中……
「グ~~…」
恋(うゎ~…やっちゃった~…気まずいよ~!
そりゃお腹空いてたけどこのタイミングはひどいよ~…。
って!え?嘘?美味しそうな香り…)
龍一「恋。とりあえずこれで腹を満たしてくれ。」
恋(龍一殿の集めてた法力が無くなっている!?
…っ!こんな私の為に神の奇跡を使って下さったのですか!?)
龍一「ごめ…「ありがとうございます!」…ん?」
恋(恥らいもなく齧り付いてしまったけど…美味しい!!)
我を忘れて夢中に食べる…。
恋(あぁ!龍一様…!あなたに一生お仕えいたします!)
魔力って言うと何か違う気がしたので法力としました。
某幽遊的に霊力でもよかったんですがね…。




