8.神代の巫女
<<恋Side>>
私は神代恋。神の憑代としての宿命を持った12代目の巫女だ。
世界に危機が訪れた際、この身を介して神の奇跡を一度だけ代行できる。
私は世界の情勢の悪化と共にこの身を捧げる覚悟を決めてきた。
…はずだった。
召喚の儀。
神代家最大の秘術、神憑の業。この身の犠牲も世界を救う為なら仕方ない…。
仕方ない?…そうか私はまだ未練があるのか。
世界を救う喜ぶべき大役なのに「仕方ない」と思ってしまった自分に恥じる。
邪念を振り払い、神に願う。奇跡を!救いを!神に願う!
祝詞を謳いながら一心不乱に願う!
飲まず食わずで祈り続けて3日…。
まだ自分に邪念があるのか?神が降りない…。
焦燥感に苛まれる。私のせいで世界が崩壊してしまう…。
…召喚の祠に突然声が響く。
龍一「我は神の代行者、春日部龍一である。」
恋「…っ!」
思わず息を飲む。それ程の神々しさ!神聖さ!
あぁ…私は何と恐れ多いのでしょう。そして神はなんと寛大なのでしょう。
この身可愛さに未練を感じてしまった私の為に代行者を立てて下さるとは!
龍一「で、お名前を聞かせてもらえるかな?レディ?」
何と恐れ多い…。私が何も言わないせいで代行者殿に気遣わせてしまった。
しかし「れでぃ」とは何のことだろう…?
いや、先ずは代行者殿のお言葉にお答えしなくては!
恋「私は当代の神代の巫女。恋とお呼びください。」
あんまり勘違いって感じでもないですね。
ただの恋Sideです。




