14.魔獣(恋Side)
恋Sideのお話。
<<恋Side>>
???『グオォッーーーー!』
何者かの唸り声で跳ね起きる。
……龍一殿は!?っと流石です。周囲に気を張っていらっしゃる。
恋「――っ!!魔獣です!気をつけてください!」
……恥ずかしい。龍一殿はとっくに周囲を警戒されてるのに…。
気が動転している。…ん?そういえば……ここはどこだろう?
確か龍一殿とバレン王国に向かっていて……
龍一殿に抱えられて…――っ!!
思い出して顔が熱くなるのが分かる。
息遣いまで聞こえる程の距離で見た鋭い眼差し。
……っと。惚けている場合ではないな。
外の様子を窺っていた龍一殿に目をやる。
龍一殿に法力が集中していく…。
どっごーん!……大きな音が鳴り響く。
???『キャイン!』
え?嘘?何をしたんですか!?
法術には相手を攻撃する術はない。それが世界の常識なのに…。
龍一「恋。あれを倒す術は持ってるか?」
恋「……いえ。私では無理です」
(ってか、普通の法術師は魔獣を倒す術など使えません!)
龍一「ん。了解。じゃちょっと待ってて」
龍一殿が外に出ていく。
はっ!どうやって倒すのか見せて頂かないと!
って……【障壁】?
はい?【障壁】を遠距離であれほど正確に発動させる?
しかも多重詠唱?いや詠唱破棄してるし……。
本来自分の周りに発生させる防御の法術。それが【障壁】だ。
それを相手の動きを止める為に使う?
そんな使い方など見た事も聞いた事もない。
っと龍一殿が気絶している魔獣に近づいていく。
…魔獣が……オオカミに変わった???
え?どういう事?魔獣を転生させたの?いや変化?
さっぱり分からない。
龍一殿はその間にも魔獣をオオカミにしていく。
――よし。後で龍一殿に真相を聞いてみよう。
狼「「「「「「「ウォーーーーン!」」」」」」」
オオカミ達が森へ帰っていく。
朝焼けの中で見る龍一殿の笑顔は眩しすぎて直視できず……
私は……
「グ~~~」
……このお腹の音が聞こえていなければいいな。と思った。
龍一の使う法術はほとんど恋も使えます。
ただ威力、精度ともに段違いなだけ。
今回、勘違いというより別視点になっちゃいました。




