12.バレン街道上空
<<恋Side>>
レーデンの町を出てバレン王国へ向かう。
いつもと違いなぜか魔獣が出てこない……。
龍一殿の神気に中てられているのか?
…それにしても先ほどの御業は凄かった。
無機物の召喚自体は確かに上位の術ではあるが、そんなに珍しいものではない。
国中の法術師と魔術師を全て合わせれば50人くらいは出来るだろう。
……だが、その速度が段違いだ。しかも何の準備も無く。
普通、あの大きさのものを召喚するには1日くらい掛かるものだ。
さすが……と言っていいのか?
代行者というのはやはり規格外だな。
それにしても先ほどの「おおきなパン」と言ったか。
あれは美味かった!芳醇な香り!もちもちした柔らかさ!
しかも!また食べたいと龍一殿にお願いすると、
「今度はもっと美味いものを出してやるよ」
と事もなく言って下さった!
これからの旅が非常に楽しみだ!
……いつの間にかずいぶん来たが一向に魔獣が出ないな?
龍一殿も何やら難しい顔して考え込んでいるようだが……
パッと龍一殿が顔を上げる。
龍一「恋。俺に掴まってくれるか?」
恋「え?」
龍一「バレン王国まで飛んでいく。」
おぉ!成程、飛翔の術か!
……私とした事が考え事に夢中で失念していた。
正直私は飛翔の術は得意ではないので素直に従う。
落ちないように、としっかりと腰に手を回した。
龍一殿はそれでも落ちるかと心配されているのか
龍一「ごめん。やっぱ抱いてくわ。」
と私を抱きかかえてくれた。
ドキッ……!
龍一殿の顔が近い……。あぁ、何と凛々しい!
鼓動が速くなるのが分かる。
龍一殿……
と物思いに耽っていると、いつの間にかとんでもない速さで飛んでいる事に気付く。
え?いつの間に飛翔したの?
こんな速さで飛んでるのに全然揺れないし、風圧も感じない!
一頻興奮していた私も、
午後の日差しの暖かさからか、先日までの召喚の疲れからか、
それとも…龍一殿に抱かれてる安心感からなのか、そのまま意識を手放した………。
<<龍一Side>>
空を飛ぶこと数時間……。
お、町発見。あれがバレン王国かな?
人に見つかって騒がれるのも嫌だしなぁ~。
目立たないトコに……って森発見。
泉もあるしあそこに降りよう。
泉の畔に降り立ち、飛んで5分で寝てしまった恋を起こす。
龍一「恋、着いたぞ?」
ゆさゆさ……
起きない。
龍一「れ~ん?」
ぺちぺち……
起きない。
龍一「……」
もーいいや。俺も寝よう。
テント~~~召喚!
龍一「お~や~す~み~……」
テントって書いてて魔法陣グル○ルのギッ○ルを思い出しました。
当然違います。ふんどしはありません。




