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ファンタジー世界を旅する小説  作者: 才練人
〜魔術師は何故か俺を選んだ〜 第1章 今日、冒険者を始めました
8/8

第8話 帰還

「ありがとうございます!

 ありがとうございます!」

 村人達は俺達に感謝の言葉を口にする。

 あの不気味な笑い声が聞こえなくなった。

 これだけでも快適さは戻ったと言ってもいいだろう。

「こちらが依頼達成を証明する書類です」

 村長はその紙を提示する。

「……気を付けろよ。

 その紙をなくすと報酬金はもらえなくなる」

「せやな。

 大切にしまわないとな……

 ちなみに対象魔獣以外に別の魔獣を倒したんやが、そっちはどないなるん?」

「……来い」

「ん?」

 すると、サイレンは馬車停に向かい、ギルドからここまで乗ってきた馬車に向かう。

「もう帰るん?」

「……すまない」

「はい?」

「……対象の魔獣以外に討伐した。

 ギルドから受け取った護符を貼り付けたから確認して欲しい」

「……わかりました。

 職員に報告しておきましょう」

「場所わかるん?」

「ええ、あの護符にはこちらにどこにあるかわかるようにしてますから。

 少々馬車の中でお待ちを」

 そう言って馭者はどこかに報告しに行った。

 サイレンは馬車に乗り、俺も乗った。

「……そういうことだ。

 これでギルドに情報が入りさらに報酬が貰えるようになった」

「ここに他にも職員いるんか?」

「……いる。

 というのもギルドからしても依頼の真贋を判断しなければならないし、もしの可能性もある」

「もし?」

「……それに関しては次の機会に話そう。

 あれをただ口で説明するのはあまりにも惜しいからな」

「惜しい?」

「……そういうことだ。

 今回のことは内緒にしておく。

 今は早く帰り練人はさっさと寝ることだ。

 あくまで今回は許しただけで次は体調不良のことを黙るのは禁止だからな」

「お、おう。

 つまり、それはサイレンも同じでええんやろ?」

「……ああ。

 同じでいい。

 私としても気持ちが同じだと安心だからな」

「……心配してくれたんやな」

「……お前も私が病気なのに無理に行って戦ったら怒るだろ?」

「……せやな。

 すまん」

「……構わない。

 初めは何でもかんで一人でやりたがるものさ」

「サイレンも似たような経験が?」

「……あるな。

 あって、知り合いに泣かれたし、怒られもした」

「さよか」

「……そして、その気持ちがわからなければ冒険者として彼らに胸が張れないと思った」

 そう言ってサイレンは懐かしむように遠い空を見た。

「……俺が倒したんやな」

「……ああ。

 あの時も言ったが想像以上だった。

 私が先輩に聞いた時は新人はビビって手こずるものだと教わったからな」

「そうなんか?

 俺としては色々慌ただしいと思ったんやが」

「……むしろ、冷静だった。

 無駄に飛び込まず情報を得続けてチャンスを逃さない」

「そう思っといてくれるんやったら嬉しいわ」

「……ただし、調子に乗るな。

 練人が勝てるというのならそれは単に運がいいだけで練人が戦っても勝てる弱い魔獣だからだ」

「褒めたのに、すぐに落とす?」

「……事実だ。

 才能があるものはあの程度の危機はすぐに終わらせていた」

「……才能があるものか……

 遠い世界やわ」

「……その才能のあるものと互角に張り合えるランクがあるのならそれは《《Eランク》》だ」

「Eランク?」

「……そうだ。

 そのランクがお前が最初から才能があるものと肩を並べて立っていると言ってもいいランクだ」

「そういう根拠は?」

「……単純に言えばそのランクの魔獣は情報も準備もなしに戦えば死ぬからだ」

「……才能があるものも?」

「……ああ。

 それで生き残れるのはある程度のラッキー……

 奇跡と言っても過言ではない。

 ある程度の準備もしていた場合にのみだ。

 それ以外は才能があろうと殺されていただろう」

「……実感を込めた言い方するな」

「……実際に体験したからな」

「体験?」

「……今はHランクの依頼に集中しろ」

「お待ちしました。

 報告終わりましたので出発と行きましょう」

「頼む……

 練人、馬車の中で眠っておけ」

「……そうさせてもらうわ」

 正直、乗り物はあまり得意ではなく、酔いやすいのだ。

 俺はサイレンの言う通り、横になって眠り始めた。

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