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ふじのたにこそ ~陰キャのおれがクラス一人気の陽キャ女子にパンツの色を聞かれた話~  作者: じゅくうちょ
おまけ

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二人が出て行った後の適塾で③

「塾長はともかく僕も一緒にしないでください! 全部僕の作戦通りだったんですから」


「キィーッ! なんだよ神崎、作戦通りってどういうことだよ!」


「今日ここに来てすぐ塾の予定表を覗き見した時に、『今野』って苗字と学年と中学校名は確認してたんで、谷藤の話を聞いた時から同じ人だとピンときてましたね。さらにあのピンクの便箋は、意味はあまり分かりませんでしたけど、さすがに恋文かなと。そこで谷藤の恋を応援してあげようと計画を立てたんですよ」


「キィーッ! 覗き見は犯罪!」


「見えるところに置いとく方が悪いんですよ」


「ゲヘヘー、俺様も覗き見は得意だぜ」


「キィーッ! お前が言うと犯罪の匂いしかしないんだよ!」


「軽犯罪法、もしくは迷惑防止条例違反ですね」


「ゲヘガメー」


「まあそれで、塾長をうまく怒らせて、それを谷藤がなんとかして今野さんの前でかっこいいところを見せる、という流れに持って行こうと思ったんですが、想定以上にうまくいきましたね。途中から内心笑いが止まりませんでしたよ。まあ今野さんが思っていたよりはるかにいい子だったのは想定外でしたが」


「ゲヘヘー、俺様もまんまと踊らされたぜ」


「いや、中島は完全に普段通りでした。でも、塾長は面白いぐらい僕の掌の上でしたね」


「キィーッ、も、もちろん全部分かった上で谷藤のためにお前の茶番に付き合ってあげただけなんだからな!」


「はいはい、分かっていますよ。でも初対面の女子中学生に『姫、姫』言ってる中年男性は想定以上に気持ち悪かったですよ」


「ゲヘヘー、さすがの俺様もあれはひいたぜ」


「キィーッ! 勘違いするなよ! あれもお前のシナリオに乗ってあげただけなんだからな!」


「もちろん承知してますよ。頭が良くて人柄も良い塾長が僕のシナリオに勘付いて乗ってくると言うのも想定していましたよ。さすがは僕らの塾長です。助かりましたよ」


「そ、そうか、分かってくれているならいいんだ」


「ゲヘヘー、しっかし今日は創作意欲がビンビン刺激される日だな! これで作詞も捗りそうだぜ!」


「作詞? なんのことだ中島?」


「ゲヘッ、俺様言わなかったか? 今年の4月、高校入学を機に軽音学部に入ったんだぜ」


「えっ、お前がか? 楽器なんかできたっけ?」


「ゲヘヘー、楽器なんかやらないぜ、俺様はボーカル担当だぜ。意外とうまいんだぜ」


「中島は声大きいうえに、意外と美声ですからね。もしかしたら歌上手いんじゃないかとは思ってましたよ」


「ゲヘヘー、さすがだぜ神崎。お前には見抜かれていたか」


「キィーッ、もちろん俺だってお前が小学生の時にウンコの木を熱唱した時から気づいていたぞ!」


「ゲフンッ、先生しつこいぜ! あとさすがに声がわりしてあの時の高音は出ないぜ。今は自慢の美ゲヘボイスだぜ」


「美ゲヘボイス? 聞きたいような聞きたくないような……」


「ゲヘヘー、10月に文化祭でリサイタルする予定だからゼッテー来てくれよな」


「な、中島!? リサイタルってあの有名な国民的アニメのボーカルでしか聞いたことないぞ……。ちょ、ちょっと一人じゃ怖いから神崎と谷藤を連れて行くよ」


「僕は予定あるので、谷藤と二人で行ってください」


「ゲヘッ、日程言ってないのに予定あるのかよ! 来る気ゼロだな」


「いやー、残念です。10月は毎週土日に僕の推しのアイドルグループ『アーミーズ』のファンの集まりがあるんですよ。いやー、残念です」


「そんなの毎週あるわけないだろ! 絶対神崎も連れて行くからな!」


「ゲヘッ、頼んだぜ塾長!」


「でもな中島。『リサイタル』って普通バンドには使わないんだぞ。一人の歌手が主役でその他はそのサポートみたいな。日本語で独唱会ともいうな。まああの例の国民的アニメを見てればわかると思うが。軽音楽部でリサイタルって??」


「ゲヘヘー、俺様の音楽センスについてこれるやつが見当たらなかったんで、とりあえずボーカルの俺様だけでバンド組んだんだぜ」


「ボーカルの俺様だけでバンド組んだって……、それ、バンド組んでないだろ!」


「ぼ、ぼっちざ……」


「ゲヘヘー、バンドの名前は『ゲヘの極み男ス』、『男ス』で『ダンス』って読んでくれよな。略称は『ゲヘダン』だぜ」


「なんか絶妙にどっかにいそうなバンド名だな」


「バンド名をわざと読みにくくするとか、略称とか、中島にしては意外と考えてますね。それはそうと、中島が作詞するんですか?」


「ゲヘヘー、そうなんだぜ。オリジナル楽曲で勝負するぜ。歌詞は自分で考えて、作曲は家のママに任せてるぜ。俺様のママは美人なうえにピアノ上手いんだぜ!」


「中島が作った歌詞を見て、母親気絶しないか? 嫌な予感しかしないぞ」


「ゲヘヘー、ママは大絶賛してくれたぜ! 今の所、『ゲヘタルト崩壊』、『性欲が有り余る』、の二曲完成してるぜ」


「中島家は母親もどうかしてるぞ! やばそうな曲だな!」


「ゲヘヘー、そんなことないぜ。『ゲヘタルト崩壊』は下ネタじゃない言葉も繰り返しすぎると下ネタに聞こえてくると言うあるあるを込めたポップでノリの良い曲だぜ。『性欲が有り余る』は高校生男子の日常とその葛藤を等身大に描いた泣けるバラードだぜ。どうだ、聞きたいだろ!」


「キィーッ、聞きたくない! やっぱり嫌な予感的中だ!」


「ゲヘヘー、それで文化祭のために、あと二曲は作らなきゃいけないんだけど、今日の出来事を踏まえて一曲閃いたぜ!」


「嫌な予感しかしないぞ」


「さっきから塾長は嫌な予感しかないですね。激しく同意ですが」


「ゲヘヘー、じゃあ今思いついた新曲のタイトルとサビだけ発表させていただくぜ。タイトルは『ア・パンツ』、サビは『アーパンツ、アーパンツ、ゲヘゲヘ。アーパンツ、アーパンツ、ゲヘゲヘ』の繰り返しだぜ。どうだ! 癖になりそうだろ!」


「今日はやけに予感が当たる日だ……」


「激しく同意です……」


「ゲヘヘー、そんなに絶賛しないでくれよ! よし! 今日もこの美ゲヘボイスを轟かせながら帰宅するぜ!」


「えっ中島? お前いつも歌いながら帰ってるのか?」


「ゲヘヘー、軽音楽部に入ってからはいつも練習しながら帰ってるぜ!」


「中島それって……」


「それって、やっぱり、やっぱりお前が例の変質者じゃないか!」


「とんだゲヘ衣だー!」


「「いや、絶対中島だっ!!」」


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