練習編
ゲームといっても、ゲーム選挙で行われるものは、大きくわけて二つ。トランプを使ったものと、テレビゲームだ。テレビゲームは昔からたまーにプレイするくらいだ。トランプに関しては、子供時代以降、遊んだことのないような気がする。
「何からしようかな。」
神様がせっかくいてくれてるんだから、二人でできるゲームの方がいいだろう。
「うーん、じゃ、トランプで遊びますか。」
トランプが家にあるのが、さいわいだった。昔よく遊んでいたおもちゃ箱を、懐かしさから、持ってきていたのだった。その中にトランプもあった。古いトランプだったが、折り目などはなく、遊ぶのには問題ないだろう。
「わしは、何をしたらいいのだ?」
神様がたずねる。
何をしよう。定番のババ抜きは、今までゲーム選挙で行われたことがあるし、今後行われる可能性が低い競技だ。それに二人ではできない。
「「お金」とかどうかな?今までゲーム選挙で出たことはないし、定番中の定番だろ?」
神様パペットが大きくうなずく。
「お金とは、お金持ちのことじゃな。わしのところでは、「お金持ち」と言っておったぞ。」
「あー、地方によって呼び方が違うんだっけ。」
お金とは、1に1000円といったように、カードの数字に、円をつけるという設定で行うものだ。すべてのカードを裏返して混ぜ、一人5枚引き、そのあとは順々で1枚ずつ引いていく。引いたカードと同じ額を全員からもらう。それで、持っている金額が多い方が勝ちというゲームだ。
「でも、カードがそれぞれいくらだったか覚えてないや。」
「ううむ。すまんな。わしも、覚えておらん。」
二人とも、うーんとうなる。だが、お金持ちは、家によって、その金額が違うから、ゲーム選挙に出ることはないだろう。
「なんか違うのやろうぜ。」
でも、何をしよう。今思いつくのは・・・・
「神経衰弱!」
懐かしいなあ。昔はおばあちゃんとよく遊んだっけ。昔、自分は強いと思ってたけど、おばあちゃんはわざと負けてたのかもしれない。
「おお、懐かしいなあ。」
「え、神様も懐かしいのか!?」
パクパクと口を動かして、なんだかうれしそうだ。
「昔はよくやっておったからなあ。」
「じゃあ、さっそくやろうやろう」
俺は、トランプを広げようとして、テーブルが邪魔なことに気づき、部屋のすみにテーブルを寄せた。そして、トランプをきれいに整列させた。




