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ゲーム選挙

俺は図書館にいた。この国の政治を改めて勉強しなおすためだ。

一冊の本を手に取る。『教養としてのニホン政治』という本だ。パラりとめくっただけだが、この国の歴史から、選挙制度まで載っているいい本だと思った。

ニホンが変革した、「氷河期革命」のページをペラペラとめくり、速読する。今から50年ほど前に行われた革命のことについて書かれている。氷河期革命は当時氷河期世代と呼ばれた人々によって行われた。氷河期世代とは、極度の就職難の時代に差し掛かった人たちで、40前後になっても低年収という状態だった。その彼らに、七公三民を課した政府が反感を買い、とうとう革命に至ったという。


成果はというと、国会議員の年収を下げさせたことや、世襲制の撤廃などだった。だが、氷河期革命は失敗だったといっても過言ではない。その後の議員になるものは、下手な制度を作ったせいで、次々と暗殺されていき、情勢は安定しなかったからだ。そして「第二次氷河期革命」が起きる。成果は、氷河期世代の老後の生活の安定化を図ることなどが、法律をもって示されたこと。そして、氷河期世代のリーダー格であったものが王となり、王政が誕生したこと。


 そして、ここからが俺が知りたかったこと、「ゲーム選挙」についてである。ゲーム選挙は、暗殺が多く、国会議員のなり手がいなかった時代に、制定された選挙制度である

。広報の一環としての側面もある。簡単にいえば、立候補したもののうち、「ゲーム」をして、「最も勝ったもの」と「最も負けたもの」の二人が国務大臣として選ばれるという選挙制度である。つまり、誰でも大臣になれるチャンスがあるということだ。


勝ったものはわかるとして、負けたものがなぜ選ばれるかというと、負け続けるのも才能の一つであるということ、そして、負ける人は、社会で負け越している人の気持ちがわかるからという側面もあるといわれている。世の中、革命が起こったとはいえ、勝ち組と負け組がいるのは今も変わらない。「負けたもの」が大臣になった場合、「勝ったもの」より権力が強いといわれている。氷河期世代の老後の生活の安定化を図るために負担は増加したし、これまで以上に、企業は努力を迫られる。今だって十分冷え込んでいるのだ。


 ゲーム選挙は毎年行われる。18歳以上の人たちには立候補の権利が与えられる。今は、参加費はかからない。だから、俺にもチャンスがある。立候補期間は、来月始まり、数カ月後には、ゲーム開始だ。ゲームの種類は今まで、トランプゲームとテレビゲームの二大国民的ゲームで行われてきた。

 やるしかない。俺は、ゲーム選挙で大臣になる!



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