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第3話

 旋風が巻き起こり、男達は吹き飛ばされていた。あまりに一瞬の出来事でわたしは驚くしかなかった。


 ドロテアは、ただ立ち尽くし呆然としていた。


 本当に何が起きて……あ。

 砂埃が晴れるとそこには人がいた。

 騎士のような格好をした若い男性。

 爽やかな表情で彼はわたしに視線を送ってくる。


「大丈夫ですか、聖女エレナ様」

「あ、あなたは……?」

「僕はクラウス。ただの騎士です」

「助けていただき、感謝します」


 見つめ合っていると、ドロテアが発狂した。


「ちょ、ちょっと何よ!! 騎士、どうして邪魔をしたの!!」

「どうして? 困っている人を助ける。当然のことだ。あなたこそ、聖女エレナ様の妹君のドロテアさんですよね。なぜ姉を追い詰めるようなこと?」


「……そ、それは……全部お姉様が悪いのよ! ただそれだけの話!」


「そうか。噂に聞いたが……君は聖女エレナ様からエリックを奪ったそうじゃないか。婚約破棄させ、聖女エレナ様をどうするつもりだったのかな」


「あ、あなたに関係ないでしょ! 騎士のクセに口出ししないで」


「関係はある。この僕は、聖女エレナ様を守護する騎士。だが、今まではエリックとの婚約があって表に出ることは叶わなかった。その状況も変わった……つまり、僕は聖女様を守る正式な騎士というわけだ」


 クラウスは、わたしを守るようにしてくれた。……何もかもを失ったと思っていたけれど、彼のおかげで助かった。



「くっ……。お姉様、今日のところは退散するわ。でも、忘れないで……お姉様を絶対に地獄に突き落としてやるからッ!!」



 散々悪態をついてドロテアは(きびす)を返した。昔はあんな子ではなかったのに。心優しい少女だったはずなのに。……もう、関係を修復することは出来なさそう。



「聖女様、もし行く当てがなければ僕の屋敷に来ませんか」

「クラウス様の? そうですね……よろしくお願いします」

「良かった。これからもエレナ様をお守り致します。この命に懸けて」



 強くて頼り甲斐のありそう。

 心優しい人に違いない。

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