表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

悪意のある普遍的な思想

カオス的乖離理論

作者: レー・NULL

 数学的な物が絶対であるように、また、不規則な物も、それとなる。いわば、熱的死であり、エントロピーが示すものともいえる。結論として、それだけのカオスを示したとして、時間が示すものは平坦となる事であり、違い無い物は、無いともとらえる。


 人は博物館の前の、放物線の描く学問が、幾何学的に無機質であろうとする所をとらえた。まさに記録をしようとした所を崩されたらしい。これがカオス、混沌というのであれば、ちんけな物でしかない。このまま、先へ進むべきかどうか、迷いが一時、生じたとしても、それは障害となり得ないだろう。


 何故なら、とっくに人は学徒として、罪さえも飲み込むのだ。あぁ、罪人に石を投げるとするならば、それを計算し、完璧な放物線を描くべきだと、反論するしかないだろう。無論、そんなことは不可能である訳で、それは人の罪を拭う事の出来ない証明でもある。


 行きつく先が同じであるならば、それは進むか進まないかの違いでしかない。熱力学とはすばらしいものなのだ。多くの人が無意味だと言ったようだが、確かにそれは無意味であった。人は手を出し、渦を巻く。エントロピーは増大し、カオスは転移する。平坦な世界には行きつかないと知っている。


 人は博物館を後にする。定められた物にはもう興味が無く、聖書は既に手持ちに無い。既にアッシャーに取り込まれている事さえも自覚しているが、それでも尚、至る事になるだろう。肉体を身にまとう世界で、肉体など必要ないのだ。


 思考、揺らぐ、揺れる。二元論とは精神の乖離。思い、揺らぐ、揺れる、まさに混沌不調和の世界。例え世界が熱力学に滅ぼされようとも、相対する世界が揺らぐまま、揺れるままに波紋は続く


 人は、道なき道を進んでいた。今や事象の境界線の中には居ない、必要なのはたった一つだけであり、それ以外は必要なかったことに気づいたのだ。そうなれば、肉体的な死さえも必要な物ではなく、形而上学など捨て去っても良いだろう。一度波立つ揺らぎも、一旦収まってしまえば、それは何も無かったことになる。


 思想、揺らぎ、割れる。さぁ、思考を分断せよ、今や細胞に固執する事は無い。思い、ゆらぐ、ゆれる、まさに形を保つには必要な事だろう。テセウスの船のように、スワンプマンのように、もうそれは自分自身とは別たれた存在であるのだ。


 そうとも、ここが精神の世界。エントロピーは増大せず、熱的死は訪れない。とても安定した、カオスな世界線だと言っておこう。結論として、それだけのカオスを示したとして、人が行きつく先は同等となる事であり、違い無い物は、無いともとらえる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ