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 魔獣の群れに向かって空と地上から先制攻撃を仕掛けました。私は連射の効かない大技で1発より、魔力消費の少ないもので継続戦闘時間を長めに設定するほうがいいと判断しましたが、エラはデカいのをブチ込んでこその魔法士という考え方のようです。


 魔法士によくいるタイプですし、バトルを楽しむ余裕があれば私だってそうします。ただ普通は大技1発でMPが売り切れて終了になってしまいますが、エラはまだまだ戦えるだけの余力を残しているみたい。


 さすがSランク冒険者です。


 さらに冒険者たちと魔獣までの距離が縮まり、他の魔法士たちも手持ちの大技を繰り出しました。


 あちこちから弓音が響き、どんどん矢が飛んでいきます。本当なら弓兵として1部隊に編成したほうが効果的なのでしょうが、戦闘能力はあっても、兵士として訓練を受けてない冒険者では各自の個人能力を頼みにしたほうがいいと判断しました。


 そろそろ接敵。


 上空から『黒十字血盟団』を探しました――リーダーのマレックが兜に挿した赤い花が目印。


 冒険者たちに囲まれた、中心付近よりやや後ろ気味にまとまっていました。先頭をマレック、最後尾がオセトと、戦えるメンバーが子供たちを守っています。


 完璧とはいえませんが、いまできる最善手でしょうね。


 ディランを先頭に冒険者たちが魔獣の群れに突入していきました。高ランクの腕利きどもが自慢の剣や槍を振りまわし「わー」とか、なんとか、わめきながら戦闘に入りました。


「進め、進め! どんどん押し込むのだ!」


 空から下に向けて煽りました。


「神鳴よ、敵を穿て!」


 電撃の矢を冒険者たちの前方にいる魔獣に連続発射。


 そこにエラが追い打ちをかけるように魔法を撃ちまくり、さらにディランが突撃。


 冒険者の集団が体当たりでもするように、魔獣の群れを2つに割っていく。そこに後続の冒険者たちが隙間を埋めていった。


 割れた魔獣の群れは包囲しようと待ち構えていた帝国軍の先鋒と激突。


 この流れは悪くありません。冒険者が魔獣の群れを足止めしている間に包囲殲滅なんて机上の作戦ですよ。士気に欠ける冒険者に暴走する魔獣を受け止めることができるわけがありません。


 こうやって全力でぶつかって、はじめて達成できること。


 私たちの役割はだいたい果たしました。魔獣を減らしつつ、分断させたのですから、あとは帝国軍の兵力で包囲してください。上官の指揮で作戦計画の通りに進めていくのは訓練された兵士にはできても、私たち冒険者にはできないことですから。


 前に出て奮戦している高ランク冒険者たちがケルベロスに一撃くわえつつ、左右に割っていきました。その後ろに続く冒険者たちはオーガやサラマンダーを遠くに追い払おうと戦っています。


 私たちはSランク冒険者の仕事を片付けましょう。


「切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃! 切り裂く水の刃!」


 身長20メートルはありそうな1つ目巨人であるサイプロクスの足を水の刃で切り刻んでいきました。1発だけでは皮膚に傷をつけるのがやっとですが同じところに何発も撃てば話が違ってくるのです。


「雷槍の乱れ撃ち!」


 エラは一気に100本ほどの雷でてきた槍を生成し、サイプロクスに向けて射出しました。


 1頭につき20本以上の雷の槍が刺さり、刺さった瞬間、蛇のように電撃がサイプロクスの全身にからみつきます。


 サイプロクスの1つ目が歪み、苦悶の声が漏れました。20メートルはある怪獣クラスの巨人とはいえ、高電圧を浴びれば筋肉が収縮して動けなくなります。


「神速増進乃極大剣」


 魔法は技名をトリガーにしますけど、剣は別に技名を叫ばなくても使えると思うのですが……すごいいい顔をしてディランはサイプロクスに斬りかかっていきました。俺かっこいい、と酔っ払っている表情です。


 朱色の大剣などという恥ずかしい2つ名を自分で名乗ってしまうセンスが残念な人ですからしかたないのかもしれませんが。 


 まあ、センスが残念だとしても、剣の腕が超一流なのは間違いないので、ザックリとサイプロクスの頭が割れました。そこに私が急降下して、マジックバックにポイと放り込みます。


 ディランが次々のサイプロクスを屠っていくので、私は回収するだけの簡単な仕事。


 その間、エラがベヒモスを抑えていてくれます。こっちは身長20メートルのサイプロクスよりさらに巨大で、その倍くらいはありそう。


 外見はサイを人型にしたような感じで、甲冑みたいな皮膚で全身を覆っている、ずんぐりした巨大ドワーフのような体に立派な角が突き出した顔がくっついた異形な魔獣。


 こいつさえ討伐できれば今回のスタンピードは制圧できたも同然なのですが――倒せるんですかね、本当に。


 気のせいか、さっきからエラの魔法がちっとも効いてないようなんですけど。










 ストック切れでしたが、なんとか1話。ガン検診がありまして、それはいいのですが、バリウムが嫌い! 世界で最も不味い食べ物だと思います――いや、あれは食べ物ではないか? 時代遅れな検査方法という噂も聞きますし。


 さらに下剤を飲むと「下剤を飲んだ」という事実だけで、お腹が痛くなってきてしまうタイプなので、トイレとの往復が忙しくて、あんまり書く時間がなかったのですね。


 今日、なんとかすれば、なんとかなる?


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